矢野 涼子 講師(オセアニア近現代史)

19‐20世紀の太平洋諸島(特にサモア)の歴史を専門としています。太平洋諸島には、欧米諸国やアジアから多くの人々が、貿易や植民地形成、移住などの目的でやってきました。もともと太平洋諸島には独自の文化やルールがありました。それらが異文化との接触によってどのように変わっていったのか、またその過程で発生した問題や解決のために人々がとった行動を多様な立場の人々の視点から描くことを目的として研究をしています。具体的には、植民地や「近代化」、口碑伝承や移民などを対象としています。

これまで太平洋諸島の歴史は、欧米諸国が太平洋諸島に行った政策や活動といった欧米人からの視点で描かれてきました。近年では、欧米人だけではなく、太平洋諸島民や他地域の人々の視点からとらえることが課題とされています。研究では、そうした動向をふまえ、太平洋諸島の現地住民の視点から歴史的事象を見ることを心掛けています。

サモア独立国の国会議事堂

教育面では、講義や講読授業を担当するほか、近現代史の卒業論文を指導しています。地域はオセアニアだけでなく、ヨーロッパやアメリカ、ソ連など広く受け入れています。「西洋」と「東洋」の双方の様々な人々の視点から見る、グローバルかつ多角的な歴史を把握できるようになることを重視しています。

ニュージーランド(ウェリントン)の公文書館