新3年生歓迎遠足

日本史学研究室では、新しく配属した新3年生の歓迎行事として、蒲原宿の巡見をおこないました。

蒲原宿の木屋渡邊家では、19世紀前半に建てられた3階建ての土蔵(文書蔵)と、そこに収められた多数の文化財を大切にされています。現在、この土蔵は「木屋江戸資料館」となっていますが、今回の巡見では同家に伝来した古文書を実見させていただきました。

渡邊家は蒲原宿の経営に関わりましたが、そのなかで近世社会の実情も同家の史料に詳細に記されました。とりわけ、幕末には異国船来航、安政東海地震、コレラ流行などの多くの事件がありましたが、それらの出来事は地域に生きた人々の視点から記録されています。なお、渡邊家文書は『蒲原町史』資料編近世1~3(蒲原町、1983~1996)などでもその多くが紹介されていますが、一方で未翻刻のままとなっている史料も少なくないそうです。

ところで、静岡大学の実習では古文書を扱いますが、しかし文化財が伝えられてきた現場を教室のなかの授業で直接に知る機会はさほど多くありません。「百聞は一見にしかず」といいますが、今回、渡邊家の土蔵を訪問し、そこで多数の古文書が守られている様子を拝見し、現代における文化財継承のあり方を体感的に学ぶことができました。

木屋渡邊家の土蔵(文書蔵)

多くの古文書を守り伝えてきた土蔵の様子

渡邊家訪問の後、旧五十嵐歯科医院(旧五十嵐邸、国登録有形文化財)も見学しました。そして、最後に近所のコンビニエンスストアでアイスクリームを買って、食べて、解散しました。

新2年生歓迎静岡歴史散歩を開催しました

恒例の新2年生歓迎静岡歴史散歩を実施しました。コースは以下の通り。

静岡駅北口集合→賤機山古墳・静岡浅間神社→徳川慶喜邸宅跡→ミス・カニンハム(英和女学院旧宣教師館)→駿府城公園(天守台発掘現場・巽櫓)→昼食→駿府城公園内堀(陸軍34 連隊)→静岡平和資料センター→上伝馬町(東海道)→教導石・市役所・県庁庁舎→日赤病院のクスノキ・静岡銀行本店(登録有形文化財)→札の辻にて解散

賤機山古墳では静岡市の学芸員の方にご説明いただき、静岡平和資料センターでも館員の方にお話をうかがいました。

また、ミス・カニンハムではイベントが開催中だったため、予定外に内部を参観することができました。

浅間神社前にて貴田先生の説明を聞く