中世西日比較経済史勉強会 A study session on the comparative economic history of medieval Spain and Japan

日本史分野の貴田の研究活動報告です。言語文化学科の大原志麻先生の紹介で、来日中のスペイン・バリャドリッド大学のダビ・カラバハル・デ・ラ・ベガ先生をお招きし、スペイン・日本の比較史的観点から中世経済史に関する、小さな勉強会を開催しました。

まず、ダビ・カラバハル・デ・ラ・ベガ先生には、中世スペインの社会経済に関するご自身の研究を紹介いただきました。主に15~17世紀のカスティーリャ地域をフィールドとされていますが、今回の勉強会では銀行家の日記を用いた金融ネットワークの復原や、村の徴税簿を利用した不平等と社会的流動性の分析を平易に解説いただきました。

15世紀のスペインで作成された徴税簿に関する史料的性格の解説と、これを用いた研究手法の説明

次に、日本中世史を専門とする貴田の研究報告に移りました。現在、数千件ほど知られる14~16世紀の土地売買証文を活用しながら、主に畿内近国の不動産市場の実態について定量的な分析を進めています。今回の勉強会では、室町・戦国時代の災害・飢饉・徳政といった自然・社会現象との関わりのなかで、市場の盛況と停滞を論じようとしました。

15世紀の京都近郊で作成された土地売買証文の解説と、定量的な分析方法の提示

大学院生も含めた4人だけの小さな勉強会でしたが、中世のスペイン社会と日本社会の間にある共通点や相違点にも議論が及び、文明史的な観点からそれぞれの社会のあり方を理解するに貴重な機会となりました。そして、日本史側のメンバーはカタコトの拙い英語を用いながらでしたが、スペイン史側の先生方からは鋭い質問をいただき、学問的にとても刺激的な時間となりました。

報告をご準備くださいましたダビ・カラバハル・デ・ラ・ベガ先生と、ご仲介いただいた大原志麻先生には改めてお礼を申し上げます。