【開催案内】第54回古文書展・第53回考古展・読書会のご案内

日本史学研究室・考古学研究室では、10月31日(土)・11月1日(日)の両日、例年通り古文書展・考古展・読書会を開催いたします。静大祭期間中に開かれるキャンパスフェスタの一環になります。また、近くなりましたら詳しいチラシ等を掲載しますのでよろしくお願いいたします。

◇第54回古文書展「庵原郡興津宿佐野家文書の調査」
・日時:10月31日(土)・11月1日(日) 10:00~16:00
・場所:人文社会科学部B棟201教室
・内容:私たちの日本史学研究室では、地域に残る文化財として古文書を保全するため、その整理・調査を続けています。本展示では、その読解を踏まえて、江戸時代の社会のあり方や人々の日常を分析します。大学での学びの一環として、学生たちによる共同研究の成果をご観覧ください。

◇第53回考古展「静岡大学構内古墳群の築造と静岡の古代社会の形成」
・日時:10月31日(土)・11月1日(日) 10:00~16:00
・場所:人文社会科学部B棟206教室
・内容:考古学研究室では、地域の重要遺跡を調査報告して、その価値の周知と保護を行う活動を続けています。今回は静岡大学の構内にある「静岡大学構内古墳群」で昨年度再発掘調査を行った第11号墳の調査内容を中心に、周辺の古墳や隣接する駿河国分寺などの古代遺跡の研究成果を展示解説し、古墳時代から飛鳥・奈良時代に至る静岡の古代社会形成の実像に迫ります。また、現在現地で公開されている第11号墳石室についてフォトグラメトリーの手法で作成した3Dモデルを用いた展示をおこない、「大学キャンパスの中にある古墳」というユニークな文化資源の価値と活用方法についても考えます。

また、こちらも例年通りですが、10月31日(土)に日本史・考古学読書会秋季例会を開催いたします。いずれも出入自由ですので、どうぞご参会ください。

◇日本史・考古学読書会秋季例会
10月31日(土)13:00~17:20 人文社会科学部B棟301教室
テーマ「文化遺産保全の現在」
13:00-13:10 開会あいさつ・近況報告
13:10-13:45 報告①毛利舞香 氏「文化財の調査から活用まで―史跡小島陣屋跡の整備事例から―」
13:45-14:20 報告②松本 将太 氏「富士宮市における市史編さんの現状と課題」
14:20-14:55 報告③西田かほる氏「民間所在史料の現状と行方」
14:55-15:05 学生による古文書展・考古展の紹介
15:05-15:55 休憩、考古展・古文書展の見学
15:55-17:20 質疑応答と議論
議論のテーマ「文化遺産保全の現在」

※秋季例会終了後、懇親会を行います。

秋季例会お問い合わせ:篠原まで Eメール:shinohara.kazuhiro★shizuoka.ac.jp

懇親会お問い合わせ:貴田まで Eメール:kida.kiyoshi★shizuoka.ac.jp

(それぞれ★印はアットマークに変更ください。)

 

なお、静大祭・キャンパスフェスタの期間中は、一般車両による入構が制限されます。お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

【日本史分野】夏の古文書集中調査を行いました

日本史学研究室では静岡市歴史文化課との連携で市内古文書の整理を進めています。その一環で、毎年夏季休業中には、2年生から4年生の多くが参加する集中調査を実施しています。

今回は9月8日から10日までの3日間にわたり、目録班と撮影班にわかれて担当を交代しながら、市内の3つの家の史料群を対象に行いました。

日々少しずつ目録作成と撮影を行ってはいますが、この期間に一気に進めてしまおうという算段です。

手前が目録班、後ろが撮影班です。諸事情により少なめに見えますが、もっと参加しております。

目録作成・撮影は、地道ではありますが、貴重な文化財を後生に伝えるためには欠かすことのできない作業です。この作業を経ることで、学生のみなさんにはそのノウハウの一端を会得してもらうだけでなく、将来、日本史と無関係の職場に就職しても、文化財保全の意義を理解する市民となってもらえればという思いも持っています。

ともあれ、今年も無事故・無違反(?)でつつがなく終了しましたこと、なによりでした。参加された学生のみなさんと、ご加勢いただいた各地の学芸員・卒業生のみなさまはお疲れ様でした。

【大学院】2026日大・静大交流戦(日本中世史)

貴田研究室の活動報告です。この度、日本大学で教鞭をとる田中大喜先生の研究室のみなさまにお越しいただき、私たち静岡大学との「交流戦」として、大学院レベルでの学術交流がおこなわれました。主に日本大学と静岡大学に所属している現役院生や他大学での修了生が参加し、共通の専門領域である日本中世史をめぐって、互いに研鑽を深めました。

初日の8月3日(月)には、それぞれが報告をおこない、自らが積み重ねてきた研究の成果を披露しました。質疑応答では史料の解釈やそこから組み立てられた歴史像をめぐり、いくらかの疑問も相互に出されました。こうした討論のなかで各人の抱える課題もおぼろげながら見えてきましたが、今後それぞれの自己批判のなかで解決され、やがて論文化へつながっていくことが期待されます。

研究報告の場では、双方向的な討論を通じて、史料読解の精度を高めるため建設的な批判を交わすとともに、そこから歴史像を導く論証・叙述の手法を鍛えあう

  • 佐野侑香(静岡大学大学院修士課程)「鎌倉期における陰陽道の展開―京都から鎌倉への伝播を中心に―」
  • 柴幸太郎(日本大学大学院博士前期課程)「初期鎌倉幕府における北条氏権力に関する研究の現状と課題」
  • 沼尾和輝(早稲田大学大学院修士課程修了)「陸奥国府における軍隊の形成過程―南部師行の事例から―」
  • 藤原大志(静岡大学卒業、早稲田大学大学院修士課程修了)「桶狭間合戦以降の今川氏の三河支配」
  • 稲川裕己(日本大学大学院博士後期課程、同大学助手)「鎌倉期足利氏所領支配の志向性」

続いて、翌日の8月4日(火)には、大学院交流のエクスカーションとして、駿河国上野郷故地に訪れました。現在の静岡県富士宮市に位置しており、中世には台地の上で畠作の村々が展開していたと推測しています。2019年以来、貴田が現地調査を続けているフィールドになりますが、田中先生をはじめ、参加者のみなさまからは中世的な農耕空間のイメージについて貴重な助言をいただきました。

現代では美しい水田が眼前に展開するが、17世紀の検地帳の分析によれば、近世の段階まではむしろ畠作が広く営まれていた

鎌倉時代の領主であった南条氏の伝承が色濃く残る小字「堀之内」の景観

なお、こちらの上野郷故地については、2023年度に採択された科学研究費・基盤研究(C)「排他的なナワバリを伴う村共同体の形成―生業論と景観論の融合から―」の一環として、現在も調査・研究を遂行しています。

2026年度日本旧石器学会若手奨励賞を大学院生が受賞

人文社会科学研究科 比較地域文化専攻 歴史・文化論コース(考古学専攻) 修士課程に所属している高山英里香さんが、第24回日本旧石器学会で「更新世末の愛鷹山麓・富士山西南麓における遺跡分布の変遷」というタイトルでポスター発表を行い、「2026年度日本旧石器学会若手奨励賞」を受賞しました。

高山さんは愛知県埋蔵文化財調査センターに学芸員として勤務しながら社会人学生として修士課程で学んでいます。

大学のHPの記事(以下のURL)では受賞したポスター発表の概要についても掲載しています。興味があればそちらもご覧ください。

https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=12170

受賞した高山英里香さん(左)と日本旧石器学会の堤 隆 会長(右)

行者穴遺跡と滝沢鍾乳洞遺跡での調査成果に関する普及活動

考古学分野では、3年生と4年生が履修する考古学実習Ⅱ・Ⅲの授業時間を利用しながら、考古学の調査研究成果を社会に還元する取り組みを行っています。昨年度は、浜松市浜名区に所在する行者穴遺跡と滝沢鍾乳洞遺跡での調査研究成果の普及活動として、両遺跡の様々な価値について調べ、大学祭などで展示を行いました。
行者穴遺跡では、近年、本州2例目になるとみられる旧石器時代の文化層が発見されていますが、近接する滝沢鍾乳洞遺跡においても、浜松市博物館などによる発掘調査で、様々な時期の考古資料が残されていることが明らかにされています。静岡大学考古学研究室では、浜松市との共同調査として、2020年度以降、両洞窟遺跡の調査研究を進めてきましたが、その過程で、考古学の発掘調査で明らかにされたことの他にも、洞窟の利用をめぐる様々な歴史があることがわかっていました。そこで、2025年度には、近年に至るまでの両洞窟遺跡の利用の歴史を調べて整理するとともに、両洞窟遺跡にどのような価値があるのかを説明する展示を行うことにしました。
滝沢町の歴史や洞窟利用について調べるために、資料を収集するとともに、両遺跡の地権者の方や滝沢町の方々からお話しをお聞きする中で、両洞窟遺跡は現在に至るまで様々なかたちで利用されており、多様な価値があることがわかりました。静岡キャンパスの大学祭期間中に開催した第52回考古展「滝沢鍾乳洞遺跡と行者穴遺跡」では、発掘調査で出土した資料とともに、両洞窟遺跡の多様な価値について紹介する展示を行いました。同様の展示は、浜松キャンパスのテクノフェスタ期間中に高柳記念未来技術創造館で開催された特別展の中でも行わせていただきました。

第52回考古展の様子(1)

第52回考古展の様子(2)

11枚の展示ポスターのPDFファイルを下記のURLからダウンロードしていただけます。

http://hdl.handle.net/10297/0002002338

2025年度に実施した以上の取り組みは、令和7年度地域連携応援プロジェクトで採択された「静岡県浜松市浜名区滝沢町の洞窟遺跡を紹介する展示ポスター制作事業」(連携先:浜松市市民部文化財課地域遺産埋蔵文化財グループ、浜松市浜名区滝沢町自治会)として実施しました。以下のURL(短縮URLです)から報告書をダウンロードしていただけるので興味があればそちらも(8頁~11頁)ご覧ください(報告書の中には行者穴遺跡の調査について取り上げていただいた静岡新聞の記事も掲載させていただいています)。

https://x.gd/3EFRZ

 

世界史食事会を開催しました

世界史分野の恒例行事である、「世界史料理会」が今年も開催されました。過去に遡り、当時食べられていた世界各国の料理をレシピを元に再現し、みんなで食べる会です。今年のテーマは「独立革命期のアメリカ料理」です。
偉人に愛された料理をコンセプトにコーンミールのパンケーキ、マカロニ&チーズ、サラダを作りました。コーンミールのパンケーキは初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンの好物で、とうもろこしの風味が感じられます。マカロニ&チーズはトマス=ジェファソンが愛したとされる料理で、チーズとブラックペッパーの効いた、今でも親しまれている料理です。サラダは同じくトマス・ジェファーソン邸宅であるモンテチェロに残されていたレシピから再現しました。ドレッシングはオリーブオイルをベースに、こしょうを大量に使っています。アメリカの料理はファストフードを思い浮かべる方が多いかも知れませんが、広大な土地で豊かな食文化が形成されていたことが分かります。本間千枝子、有賀夏紀著『世界の食文化12 アメリカ』農山漁村文化協会、2004/04 などを参考にしました。

2025年9月に行者穴遺跡の発掘調査を行いました。

こちらも少し前(2025年度)のことになりますが、2025年9月12日から9月27日の日程で浜松市浜名区滝沢町に所在する洞窟遺跡である行者穴遺跡の発掘調査を実施しました。考古学実習に関連するフィールドワークとしても実施しており、調査期間中に学部学生15名と修士課程の大学院生2名が調査に参加してくれました。

行者穴遺跡の2025年度の発掘調査の様子

行者穴遺跡の発掘調査は、1998年度に浜松市博物館によって実施され、その後、時間をおいて、2022年度からは静岡大学人文社会科学部(考古学研究室)と浜松市での共同調査として進められています。2022年度からの調査で、約2万8千~2万7千年前と約2万年前の2つの旧石器時代の文化層が残されていることが明かになりました。石器と動物遺体が出土する文化層が洞窟遺跡で発見されたのは、青森県の洞窟遺跡に次ぐ、2つ目の事例と思われます。九州や沖縄のいくつかの洞窟遺跡でも旧石器時代の文化層が発見されていますが、全体からみるとごく少数です。日本列島ではこれまでに1万を超える数の旧石器時代の遺跡が発見されていますが、そのほとんどすべては台地上に残される開地遺跡からは、保存条件の制約から主に石器資料しか出土しません、これに対して、洞窟遺跡では石器資料に加えて、動物遺体(骨・角・歯)も保存されるため、当時の動物資源の利用の手がかりを得ることができます。行者穴遺跡での2022年度以降の調査で、約2万年前の文化層からシカ類、ニホンザル、鳥類の骨や歯が出土しています。また、加工痕跡のある骨片やその製作に関わって生じた欠片も出土しています。ニホンザルの歯や鳥類の骨、その場所での製作の証拠を伴う骨器が出土するのは日本列島の旧石器時代の遺跡としては初めての事例になると思われます。これらについて2026年5月24日に開催された日本考古学協会総会で口頭発表したところ、注目を集めました。今後そうした成果を論文として発表するとともに、今後も調査を継続する予定です。

近年の調査成果は、複数メディア(2025年11月1日静岡新聞朝刊24面【社会】、2025年12月2日読売新聞(全国版)朝刊15面【文化】)で紹介されました。

https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=11392

学術雑誌に掲載された大学院生(修士課程考古学専攻)の論文

少し前(2025年度)のことになりますが、大学院(修士課程)に在籍していた考古学専攻の大学院生の論文が学術雑誌に掲載されました。福地朝彦さんの「釈迦堂遺跡における土偶利用の社会的背景について」(pp.35-46)は『山梨県考古学協会誌』第31号に、榛村敦也さんの「西貝塚と石原貝塚から出土した貝類遺物の再検討」(pp.1-20)は『静岡県考古学研究』No.57に掲載されました。いずれも卒業論文をもとに執筆したものです。

それ以前にも、考古学専攻の大学院生(修士課程)が執筆した論文が学術雑誌に掲載されたことが何度かありました。最近、学術雑誌に掲載された論文は以下のとおりです。

  • 外山真子2024「静岡県内出土縄文土器の敷物圧痕からみる編組製品の様相」『静岡県考古学研究』No.55 pp.1-16
  • 河原崎洸希2024「静岡平野における古墳時代前期の集落と掘立柱建物の諸類型」『静岡県考古学研究』No.55 pp.17-30
  • 井上雅也・中原康介・山岡拓也2022「縄文時代中期における神津島産黒曜石の分布とその特徴」『静岡県考古学研究』No.55 pp.85-100

これらは、外山真子さん、河原崎洸希さん、井上雅也さんが大学院(修士課程)に在籍していたときに、卒業論文をもとに執筆して、掲載されたものです。

2026年度日本史分野新3年生遠足を行いました

「神の道」をゆく神々

5月某日、日本史分野では恒例の新3年生の遠足を行いました。今年度は近年では例になかった三保方面へむかいました。

JR清水駅からバスで向かい、まずは御穂神社を見学しました。

つづいて「神の道」を進んで、日本史分野の卒業生も勤務している「みほしるべ」を訪れ、そのガイドのもと三保松原の歴史や抱える課題などを学びました。

あわせて、松原にて松葉かき体験を行いました。松葉かきを行わないと土が肥沃になりすぎて松が枯れてしまうそうで、世界遺産の景観保全にも大変なご苦労があることを体験的に学ぶことができました。

最後に、「羽衣の松」を経て三保松原の海岸でしばしたそがれ、お茶屋でアイスクリームを食べてタイムアップとなりました。

「みほしるべ」の方々には色々とお世話になりました。お礼申し上げます。なお、その後学生の皆さんは静岡の夜の街に消えていったと聞いています。

羽衣の松の解説をうけています

海よ~おれの海よ~♪

2026年度新2年生歓迎静岡歴史散歩を開催しました

  静岡市歴史博物館を参観するところです

4月30日(水・祝日)にコースの恒例行事でもある静岡歴史散歩を開催しました。

歴史学・考古学コースを選択した新2年生の歓迎と懇親を目的としています。

今年度はJR静岡駅北口に集合し、午前中は伝馬町の静岡平和資料センターを訪問し、1945年6月の静岡空襲を体験された方から貴重なお話を伺うとともに、戦争に関する資料展示を参観しました。
その後、駿府城公園に行き、昼食をとりました。

  賎機山古墳の内部を見学しています

午後は静岡市歴史博物館にて企画展「没後五〇〇年 戦国大名 今川氏親」を鑑賞し、その後は再び駿府城公園に戻り、石垣の発掘現場(工事中のため外から)・徳川慶喜邸跡・旧静岡英和女学院宣教師館(ミス・カニンハム)を経て、静岡浅間神社と賤機山古墳の見学を行い、解散しました。

教員とともに、静岡市職員のかたの解説もいただきました。また、総勢22名と大人数のうえ、ドイツとチェコからの留学生も参加してくれました。

終始曇りがちでしたが、その分それほど暑くもならず、歩くにはちょうど良い天候でした。
市職員や高校教員として活躍されている卒業生も各所で加わって下さり、その点においても有意義な一日であったかと思います。