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【2023年研修「教材作成における著作権の考え方について」】
・「著作権の考え方」(約20分) [NEW!]
・「著作権種類と引用について」(約35分) [NEW!]
・「教育に関する著作権と類似性について」(約30分) [NEW!]
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・著作権の基本(約25分)
・著作権法第35条について(約15分)
・ケーススタディ基礎編(約10分)
・ケーススタディ応用編(約15分)
・SARTRASに申請する著作物とは(約10分)
・ 引用とは(約10分)
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- 本研修動画の内容は2023年現在のものです。今後,法改正等によって変更が生じる可能性があります。
- 本研修動画は学内限定公開です。静岡大学の教職員(非常勤教員を含む)以外の方による視聴を禁止しております。また,皆様に対して,研修動画のダウンロードおよび再配布を禁止しております。
Q.授業を録画して、SNSにアップロードする学生に対し、やめてほしい。
著作権を理由に録画行為を注意することはできますか?A.授業が著作物であるかどうかは意見が分かれている。ただし、授業中に提示するパワーポイント等のスライドには、著作権法上の「引用」と言えないような著作物の使われ方があります。
そのようなスライドをSNSにアップロードすることは「授業外での公衆送信」となるため、侵害に当たる可能性が高くなります。その場合、SNSにアップロードした学生が著作権を侵害した者となる可能性があります。そういったリスクから学生を守るために、著作権を理由として、録画行為を注意することはできると思います。Q. 著作権の共同の保有の考え方はありますか。
A. 「共同著作物」という言葉が著作権法上にもあります(第2条1項12号)。複数人が1つの著作物を作成し、インタビュー記事やディスカッション記事のように分離することができないものを指します。ただし、1冊の本の中で、第1章をAさん、第2章をBさんというような分離できる場合は共同著作物とはいえません。
Q. 学生に論文を書かせる際に、アイデア出しやディスカッションをAIとさせる場合、最終的なAI生成物の
著作者は誰になるのか?A.「著作物を創作する者」が著作者となる、と著作権法(第2条1項2号)では決められています。著作物は「思想又は感情を創作的表現したもの~以下、略」と決められています。著作権的な考えとして「思想又は感情」は人間のみが持てるとされています。よって、「人工」知能であるAIが生成したものは著作物ではないといわれることが通常です。よって、「ゴッホ風の絵画を描いてほしい」など、人間がアイデアのみ提示し、AIが生成した絵画は著作物ではないといわれています。したがって、論文を書く際にAIがアイデアしか出していない場合、当該論文は学生の著作物になります。学生と対話を続けて導かれた論文も、一見、学生とAIの共同著作物のように見えますが、AIは著作権を持ちませんので、学生の著作物となります。
※AI生成物の著作権については、まだ議論の最中のため、2024年3月時点での回答となります。Q. 教員が授業のスキルを上げるための研修で、第三者の著作物を使用することはできますか?
A. 教員が授業のスキルを上げるための研修は「授業の過程」に含められます(「改正著作権法第35条運用指針」令和3年度版 p.7)。
Q.授業中に英語の本を日本語訳にすることはできますか。
A. 学校における授業内での翻訳については著作権法第47条の6で認められています。
Q. オンデマンド授業で、人気者の動画のURLなどを送って見せることはできますか。
A. URLやQRコードは著作物ではないため共有は問題ありません。サムネイルなどは著作物に該当する可能性が高いため、「学校における授業」のためであれば問題がありません。
Q. 教科書についてくるリスニングCDを音声ファイルにし、LMSで配布してもいいですか?
Q. 教科書についてくるリスニングCDの音声を自らの声で録音し、LMSで配布してもいいですか?A. 「リスニングCD」=著作物 ⇨「音声ファイル」=有形的に再製 ⇨「LMSで配信」=公衆送信 という行為は著作物の複製に該当しますので、権利者へ許諾が必要です。
※授業目的公衆送信補償金制度の対象となります。著作物の利用登録を行ってください。登録はこちらから→Q. 教科書をスキャンしてLMSで配布していいですか?
A. 本来、購入すべき物をスキャンで代替することは権利者の利益を不当に害する行為となるため、権利者へ許諾が必要です。
※授業目的公衆送信補償金制度の対象となります。著作物の利用登録を行ってください。登録はこちらから→Q. 販売されている図面やキャラクターをイラストに描き、スライド等に載せていいですか?
Q. 講義スライドに映画やドラマの1シーンをキャプチャした画像が挿入してもいいですか?A. 講義に関係のあるもので、かつ、小部分の利用であれば無承諾で使用して問題ありません。但し、使用の量によって、権利者へ許諾が必要な場合があります。
Q. 学内限定公開で、番組を保存したものや動画キャプチャーを講義で公開していいですか?
A. 番組そのものを保存して講義で公開することは、権利者の利益を不当に害する行為となるため、権利者へ許諾が必要です。
Q. 「引用を明示的に示せば他人の著作物を自由に遼できる」との認識で良いですか?
A. 引用の要件を守れば、権利者へ許諾は不要です。
【引用の要件】
1.既に公開されている著作物であること。
2.「公正な慣行」に合致すること。
3.引用を行う「必然性」があること。
4.言語の著作物についてはカギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること=明瞭区分性。
5.報道、批判、研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること=主従関係。
6.改変しないこと。
7.「出所の明示」が必要。※複製以外はその慣行があるとき。〖著作権法第32条第1項〗
Q. 自ら執筆し、出版社を通して出版・販売している教科書をLMSに掲載してもいいですか?
A. 自分の文章であっても確認が必要です。
・出版社との契約で執筆はするが、著作権は出版社へ譲渡している場合
⇒著作権は出版社にあります。自分の文章であっても、無断で使用することはできません、出版社の許諾が必要です。
・教科書の中に第三者の書作物(写真、イラスト、資料)が使われている場合
⇒個々に権利が発生していますので権利者への許諾が必要となる場合があります。Q. 他人のYouTubを講義で流してもいいですか?
(動画ファイルとして保存し、LMSで配布しているものもあれば、リンクを貼り付けて参照するように指示しているものもある)
Q. ソフトウェア等の説明において企業ロゴをスライドの中に挿入してもいいですか?A.利用の際には、利用規約をしっかり読んでください。リンクのみの表示は、問題ありません。
・You Tube利用規約 ・Googleロゴガイドライン ・Yahoo!JAPANロゴガイドライン ・Microsoft企業ロゴガイドライン
・Amazonロゴガイドライン ・Metaロゴガイドライン ・AppleロゴガイドラインQ. 他人の講義動画を利用(配信)してもいいですか?
A. 学内であれば、一声かける、学外であれば許諾を取るようにしましょう。
著作権第35条の「授業の課程」における利用の条件の中で、その授業と関係のない他の教員・教育機関と共有することは認められていませんので無断で配信することはできません。必ず許諾を取ってください。- 【この資料のリンクはこちら】