第1回しずおか哲学caféのテーマが決まりました!今回は、受精卵に対するゲノム編集について、みなさんと一緒に考えたいと思います。スノドカフェ でお待ちしております!
第1回 しずおか哲学café
テーマ:受精卵の遺伝子を操作することは許されるか?
ファシリテーター:堂囿俊彦
日時:2019年4月6日(土)
15:00~18:00(14:30~受付&テーブルトーク)
場所:スノドカフェ七間町(静岡県静岡市葵区七間町7-8)
参加費:一般1,000円,学生500円(フリードリンク・お菓子付)
申込み:不要
昨年末、中国の研究者が、生まれる子どもがHIVに感染しないように受精卵の遺伝子を操作し、実際に子どもが生まれたことを明らかにしました。この行為に対しては、「実験段階の技術を応用するのは問題だ」といった安全性の問題や、「より安全な方法でHIVを回避することは可能だ」という必要性に関する疑問が呈されました。確かに、安全かどうか分からず、必要でもない操作を行うことには大きな問題がありそうです。
しかし、安全性の問題は、やがて解決される可能性があります。そのとき私たちは、受精卵の遺伝子操作とどのように向き合うべきでしょうか。
一つ目の考え方は、安全であるなら後は親の選択に任せるというものです。親は子育てに関してかなりの決定権をもっています。子どもの遺伝子を編集することも、基本的にはそうした決定権に含まれると考えられるかも知れません。
二つ目の考え方は、一定の条件下で利用を認めるというものです。というのも、そうした条件によって、遺伝子操作によって生じうる問題を回避できるかもしれないからです。例えば、親の選択に任せていては、操作によって有利な能力を身につけた子どもと、操作なしに生まれた子どもとの間に格差が生まれることになってしまうかもしれません。
三つ目の考え方は、いかなる形であれ受精卵の遺伝子操作は認めないというものです。この立場は、「神への冒涜」といった宗教的な背景から訴えられることもあれば、「受精卵の操作は未来世代にも影響を与えるのであり、そうした影響を知るのは困難である」という予防的な配慮にもとづくこともあります。
もちろんこれら三つ以外の立場もありえますし、別の理由から上に挙げた立場に賛成することもできるでしょう。初回のしずおか哲学caféでは、みなさんとともに、将来世代の遺伝子操作について考えてみたいと思います。