コンテンツへスキップ

次回のテーマをお知らせします。

テーマ あらためて、将来世代に対する責任について考える
開催日 2月4日(土)
時間  15:00~18:00(受付開始:14:50~)
場所  Zoomミーティング(URLは参加申込をされた方にお知らせします)
参加費 無料
申込み こくちーず(クリックすると申込画面へ移動します)

2022年2月に開催された第18回しずおか哲学caféでは、「将来世代に対する責任について考える」というテーマを取り上げました。取り上げた背景には、2015年に国連で合意された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals=SDGs)」や、カーボンニュートラルに向けた国内外のさまざまな動きの中で、将来世代のために責任をもって気候変動に取り組もうという「世代間倫理」の気運の高まりがありました。
しかし気候変動をめぐる問題では、現代世代への責任、つまり「世代内倫理」も問われています。

昨年末に開催されたCOP27では、すでに生じている「損失と被害(ロス&ダメージ」が問題となりました。世界では、気候変動に対して脆弱な途上国を中心に、甚大な被害が出ています。昨年バングラディシュでは、国土の三分の一が水没しましたし、アフリカでは深刻な干ばつが起きました。いま生きている人々も、気候変動のために苦しんでいるのです。

しかし、気候変動に取り組む理由として挙げられるこれら二つの責任をめぐっては、いくつか考えるべき問いがあります。

一つ目は、現代世代のために気候変動の問題に取り組むことと、生まれていない将来世代のために気候変動の問題に取り組むことの間に違いはあるのかという問いです。例えば、いま干ばつに苦しんでいる人のための支援と、将来その土地に住む人が食料を得られるようにする支援とは異なるかもしれません。

二つ目は、両者の責任を果たすことの間に違いがあるときに、それらは対立するのか、さらには対立を解消するのは可能なのかという問いです。例えば、現在気候変動の被害に遭っている人に支援を行うことは、将来世代への負担につながるかもしれません。
三つ目は、対立の解消が困難であるとき、どちらかを優先する理由はあるのか、あるとしてどのようなものなのかという問いです。例えば、「生まれていない将来世代への責任は現代世代のものほど重くない」という考え方が正当ならば、現代世代への責任を優先する理由になります。

今回は、世代内倫理と世代間倫理という区分を踏まえ、これら3つの問いを検討することを通じて、あらためて将来世代への責任について考えてみたいと思います。(文責・ファシリテーター:堂囿俊彦)