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第23回しずおか哲学caféのご案内

次回のテーマをお知らせします。

テーマ 情報量の多さは創造性を削ぐか〜異世界転生ものに対する違和感
開催日 12月3日(土)
時間  15:00~18:00(受付開始:14:50~)
場所  Zoomミーティング(URLは参加申込をされた方にお知らせします)
参加費 無料
申込み こくちーず(クリックすると申込画面へ移動します)

“異世界転生もの“と呼ばれるジャンルが近年人気を博しています。
“異世界転生もの“では、(様々な設定があることは承知の上ですが、)近代社会の記憶を引き継いで生まれ変わり、異世界にはない知識を活かしながら無双する、ということがあります。

筆者は、その異世界転生の主人公が羨ましく思える時があります。
私たち生きる現実世界では、インターネットが発達しており、かなり多くの情報を手に入れることができます。私たちが一日で知り得る情報量は、平安時代に生きている人の一生分の情報量に匹敵すると言われるほどです。しかし異世界では、基本的にインターネットのような高度な情報網がありませんので、現実世界を生きる人間の方が、圧倒的に情報量を持っています。それゆえに異世界では、他の人がまだ考えてもいない・やっていないことを始めるのは比較的容易なように思います。

しかし現実世界ではそうもいきません。周りの人たちは自分と同じような環境で生きていきているため、持っている情報量の差も、異世界ほどはありません。また自分が普段アクセスしている情報は、同じように他の人もアクセス可能な情報であり、差別化することも難しいです。過去の情報の蓄積から類似事例が豊富に出てくるが故に、他の人がまだ考えてもない・やってもいないということを探すのも一苦労です。

それゆえに、私たちは異世界という“情報共有網が未発達の世界“で新しいことを生み出す状況に惹かれるのかもしれません。それは同時に、現実世界での情報量の多さが、新しいことを生み出すことを阻害している可能性を孕んでいます。
今回の哲学カフェでは、インターネットが普及したことを背景に、得られる情報量が増えたことによる、創造性への影響について考えたいと思います。

文責・ファシリテーター:國弘彩