「しずおか哲学カフェ」は、誰かが感じている疑問を、みんなで立ち止まって考える場です。もちろん、「ともに考える」ということは、「一つの考え方をもつ」ということではありません。一人ひとりの価値観や生き方を尊重しながら、問いを共有し、ともに考える――しずおか哲学カフェはそのための場所なのです。
こうした場をつくるために、参加するみなさんに、以下の点を大切なものとして共有していただきたいと考えています。
考え方の前提を問い直そうとする姿勢
日頃前提としているものをあらためて問い直すことは哲学の一つの役割です。
哲学カフェでは、さまざまなテーマをめぐり、さまざまな意見がだされます。中には、みなさんが受け入れられない意見もあるかもしれません。しかし、そこで一歩踏みとどまり、「あの人はなぜそういう考え方をするのだろうか」と問うと同時に、「なぜ自分はあの人と違う考え方をするのだろうか」と問うてみて下さい。多様な意見と出会えることは、哲学する貴重な機会なのです。
新しいものを生み出そうとする姿勢
考え方が異なる人と接することを通じて、何か新しいものが生み出されるのではないかという期待や、新しいものを生み出そうとする姿勢が必要です。
自分や他人の考え方の前提を問い直し、互いの違いを明らかにすることは、ときとして共に生きることを難しくするかもしれません。カフェにいる異なる人たちを結びつける、新しい考え方を求めていきましょう。
安心して語ることのできる空間を作り出そうとする姿勢
意見を安心して出すことのできる空間は、新たなものを生み出すうえで不可欠です。
参加者の中には、自分の意見をうまくまとめられていない人もいるでしょう。そうした発言にもどかしさを感じる人もいるでしょう。カフェでは、戸惑っている人も臆することなく意見を表明できる空間を大切にします。
ともにカフェを創り上げる姿勢
カフェのあり⽅そのものも⼀緒に考えていきましょう。
哲学カフェは、誰もが参加できる開かれた場です。そうした場では、カフェのあり方自体を参加者全員で考えることもあるでしょう。議論の場だけではなく、カフェそのものを参加者の方と創り上げていきたいと考えています。