新規マルチフェロイック物質を発見

インドIACS(Indian Association for the Cultivation of Science)のSugata Ray教授、東京工業大学の伊藤満教授らとの共同研究で、新規物質設計方針により室温マルチフェロイック材料であるランガサイト化合物Pb3TeMn3P2O14を発見しました。今回の研究成果は、マルチフェロイック材料開発の新たな設計指針を与えると同時に、室温で動作可能な多機能性メモリなどへの応用展開が期待されます。本研究成果は、Rapid Communicationsとして米国物理会学術誌「PHYSICAL REVIEW B」に掲載される予定です。”Covalency driven modulation of paramagnetism and development of lone pair ferroelectricity in multiferroic Pb3TeMn3P2O14”と題した論文は2020年5月20日(現地時間)にオンライで公開されました。

* マルチフェロイック材料とは、磁性と強誘電体の性質を併せ持つ物質です。その物質を利用することにより、磁場で電気分極を制御すること、あるいは電場で磁気的な特性を制御することができます。そのため、新規の多機能性メモリなどへの応用が期待されています。しかし、これまでに発見したマルチフェロイック材料のほとんどは、絶対零度付近の極低温でしかその特性を示しません。実用化のために、室温でその特性を持つ材料の開発が求めらています。