プログラミングスキルを育成するためには,建設的な試行錯誤を必要とすると言われています。これは、プログラミング技術に限らず、包括的な問題解決を行うスキルを育成する場合に広く該当すると考えらえます。そのため,小問題で基礎的な知識や方法を学んだ後に,ある程度の規模の課題を通して包括的なスキルを学ぶ学習(例えば,プロジェクト型の開発演習などで学ぶケースなど)がよく行われます.しかしながら「建設的な」試行錯誤と「やみくもな」試行錯誤では得られる効果が異なり,前者は学習者がある程度の時間をかけて自身で問題解決することで学びが促進することが期待されるのに対して,後者は運よく解に到達できたとしても「方法」の学びは少なく,早期に「やみくもな」試行錯誤を解消するための支援を行うことが期待されます。
本研究では,ある程度の期間を通して一定規模の課題を加法的に開発するプログラミング演習を対象として,早期リスク推定(期末成果物の達成可能性の推定)を行っています.学習者の成果物(プログラムコード)の評価を基に推定を行う方法に対して,学習者のコーディング活動を分析対象とした場合の有用性を評価しています.TDD(Test-Driven Development)のコーディングプラクティスから行動規範を抽出し,演習の中でそのような行動規範に沿ってコーディングを進めているか(上述の建設的な試行錯誤のひとつに該当)を評価し,推定のための特徴量として採用しました.
