3年後期配属の学生さんが、L-Prolineによるアセトンとp-ニトロベンズアルデヒドの直截的アルドール反応で練習実験をしました。TLCから反応が終了したと判断して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、生成物の単離に取り組んでいます。5人同時開催なので、てんやわんや状態のようです(苦笑)。一つ一つ技術を身に着け、コツコツ実験をし、研究していきましょう。よろしくお願いします。
MASE Laboratory@Shizuoka University
間瀬研究室@静岡大学
1. 序文:私たちの生活を支える「アミド結合」の静かな革命生命の設計図であるタンパク質から、現代医療に欠かせない医薬品、そして強靭なナイロン材料に至るまで、私たちの世界は「アミド結合」という化学構造によって支えられています。この強固な結合を構築する手法として、70年以上の歴史を持つ「リッター反応(Ritter reaction)」は極めて重要です。
しかし、この古典的なプロセスには長年の課題がありました。反応を進行させるために硫酸などの強力な液体酸を大量に消費し、結果として膨大な廃棄物(E-ファクターの増大)を生み出していたのです。グリーンサステナブルケミストリー(GSC)が叫ばれる今日、この「強酸」と「廃棄物」のジレンマを解消し、アトムエコノミーを極限まで高めることは、化学産業における喫緊の課題でした。今、そのパラダイムを転換する、クリーンで比類なき「止まらない」技術が誕生しました。
今回、JOC(The Journal of Organic Chemistry)2025年号で発表された研究の核心は、新開発された触媒システムが示す驚異的な「安定性」と「生産性」にあります。
新たに設計された固形触媒「PAFR II」を用いた連続フローシステムは、一度稼働を開始すれば、実に366時間(約2週間)以上にわたって活性を失うことなくアミドを生成し続けました。特筆すべきは、単に動くだけでなく、その「質」も極めて高いという点です。
「連続フローシステムは、2週間(366時間)以上にわたって90%の収率を維持し、その安定性と生産性を証明した。」
この90%という高い収率は、次世代新薬の骨格として期待される化合物(3o)において実証された数値です。内径わずか6.5 mmの小さなガラスカラムを用いた実験室レベルの装置でありながら、1日あたり約12.7gの製品を生産可能。この事実は、高度な医薬品がオンデマンドかつ局所的に製造される「分散型製造」や「モジュール型生産」という、持続可能なものづくりの未来を強く予感させます。
化学反応をフラスコで攪拌する従来の「バッチ式」から、細い管の中に原料を流し続ける「連続フロー方式」への転換は、単なる効率化を超えた「反応の質の向上」をもたらしました。
例えば、2,6-ジフルオロベンゾニトリル(3c)の合成において、バッチ式では収率39%に留まっていましたが、フロー式では66%へと大幅に向上しています。さらに劇的な事例は、化合物(3v)の合成です。この物質は基質の立体的・電子的な特性から、従来のバッチ式では全く合成が不可能(収率0%)でしたが、フロー式では23%の収率で生成に成功しました。
このブレイクスルーの鍵は、フローシステム特有の「均一な混合」と「優れた熱伝達」にあります。滞留時間(Residence time)わずか13分という短時間で、熱や物質の移動を精密に制御することで、これまでのフラスコ内では達成できなかった繊細な反応経路が切り拓かれたのです。
この技術の心臓部といえるのが、固形触媒「PAFR II(m-フェノールスルホン酸・ホルムアルデヒド樹脂)」です。なぜこの触媒が、これほどまでに革新的なのでしょうか。
第一に、従来の液体酸(硫酸)とは異なり、固形であるため「ろ過」だけで簡単に回収・再利用が可能である点です。バッチ条件下の実験では、5回以上の再利用を行っても78%から大きな低下なく高い活性(67%以上)を維持しました。第二に、わずか「1 mol % SO3H」という極めて低い触媒量(Low catalyst loading)で反応を完結させる圧倒的な効率性です。
市販の触媒(Amberlyst 15やDIAIONシリーズなど)と比較した際、他の触媒が収率33%以下に沈む中、PAFR IIが78%(化合物3aの最適化条件)という数値を記録した理由は、その分子構造にあります。樹脂内に組み込まれたフェノール基がもたらす親水性と、原料(ニトリルやアルコール)と活性点との間の分子間相互作用を促進する機能が、既存の触媒にはない高い反応性を実現しているのです。
この「止まらない触媒」が描き出すのは、私たちの生活の質(QOL)を直接的に向上させる未来です。生成されるアミド化合物は、多岐にわたる分野への応用が期待されています。
このように、今回確立された技術は単なる製造コストの削減に留まりません。環境負荷が高いという理由で敬遠されていた、あるいは製造が困難だった高度な化合物を、人類の健康と快適さのために「持続可能な形」で提供するための架け橋となるのです。
「PAFR II」という優れたリサイクル触媒と「連続フローシステム」の融合は、化学産業における持続可能な製造の新たな標準(デファクトスタンダード)を提示しました。
廃棄物を最小限に抑え、エネルギー効率を最大化し、かつ高品質な薬品を安定して作り続ける。この技術が普及すれば、大規模な化学工場はよりコンパクトで、地域社会と調和するクリーンな施設へと変貌を遂げるでしょう。
私たちが毎日手にする薬が、環境に一切の負荷をかけずに作られる日は、もうすぐそこまで来ています。この「止まらない触媒」が導く未来で、あなたなら何を作りたいですか?
本稿は、掲載論文に基づき生成AIを用いて要約・表現を作成しています。内容の正確性には配慮していますが、解釈や表現の過程で不正確な記載が含まれる可能性があります。正式な情報は原論文をご確認ください。