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和光純薬時報Vol.92 No.1への寄稿
和光純薬時報への寄稿文が載っています。フリーですので、ご笑覧ください。
〈フロー合成の魅力 ~安全・高効率なグリーンものづくりへ~〉
「第3回 フロー合成の実践 ~学術・産業への応用~」 間瀬 暢之
和光純薬時報Vol92, No.1(2024年1月) (fujifilm.com)
2回目までは下記をご参照ください。
「第2回 フロー合成の基礎 ~要素技術と設計~」 間瀬 暢之
和光純薬時報Vol91, No.4(2023年10月) (fujifilm.com)
「第1回 フロー合成の魅力 ~なぜフロー合成?~」 間瀬 暢之
和光純薬時報Vol91, No.3(2023年7月) (fujifilm.com)
〈フロー合成の魅力 ~安全・高効率なグリーンものづくりへ~〉
和光純薬時報Vol.91 No.4への寄稿
和光純薬時報への寄稿文が載っています。フリーですので、ご笑覧ください。
〈フロー合成の魅力 ~安全・高効率なグリーンものづくりへ~〉
「第2回 フロー合成の基礎 ~要素技術と設計~」 間瀬 暢之
和光純薬時報Vol91, No.4(2023年10月) (fujifilm.com)
第1回目はこちら
〈フロー合成の魅力 ~安全・高効率なグリーンものづくりへ~〉
「第1回 フロー合成の魅力 ~なぜフロー合成?~」 間瀬 暢之
和光純薬時報Vol91, No.3(2023年7月) (fujifilm.com)
和光純薬時報|情報誌|試薬-富士フイルム和光純薬 (fujifilm.com)

小塚君の研究が優秀論文(Selected Paper)に選出されました
Bulletin of the Chemical Society of Japanに投稿した小塚君の論文が優秀論文(Selected Paper)に選出されました。それを記念して、オープンアクセス化しましたので、ぜひ、ご覧いただけますと幸いです。また、インサイドカバーも間もなく公開されると思います。
オープンアクセスなので、ぜひ、知り合いにも紹介してもらえるとありがたいです。
“Enhancing Multiphase Reactions by Boosting Local Gas Concentration with Ultrafine Bubbles”
Kozuka, T.; Iio, T.; Suzuki, S.; Kakiuchi, K.; Tadano, G.; Sato, K.; Narumi, T.; Mase, N.,
Bull. Chem. Soc. Jpn. 2023, 96 (8), 752-758.

間瀬先生の連載が和光純薬時報で始まりました。
100マイクロメートル以下の革命:微細な泡「ファインバブル」が化学産業の常識を塗り替える
100マイクロメートル以下の革命:微細な泡「ファインバブル」が化学産業の常識を塗り替える
1. 導入:化学反応の「過酷な常識」への挑戦
化学工場の象徴とも言える、巨大な高圧容器と力強く回転する攪拌機。従来の化学産業において、気体(ガス)と液体を反応させるプロセスは、ガスの低い溶解度を補うために「高い圧力をかけ、激しくかき混ぜる」という、エネルギー集約型の力技が不可欠な常識とされてきました。
しかし、このプロセスエンジニアリングの定説を覆す、目に見えないほど微細な存在が注目を集めています。それが、直径100マイクロメートル(0.1ミリメートル)以下の泡「ファインバブル(FB)」です。静岡大学の小塚智樹氏、間瀬暢之教授らの研究チームが発表した最新の研究(Kozuka et al., 2023)は、この「小さな泡」が、過酷な高圧条件なしで化学反応を劇的に加速させるだけでなく、触媒のメンテナンスという長年の難題をも解決する可能性を示しました。本記事では、この微細な泡がもたらす技術的ブレイクスルーの核心に迫ります。
2. 驚きの発見:単なる「溶解」ではない、泡そのものの力
直感的には、「泡を細かくすれば表面積が増え、ガスがより多く溶けるから反応が進む」と考えがちです。しかし、研究チームによる気液二相系と気液固三相系の比較分析は、その理解が不十分であることを示しました。
光感受性物質「ローズベンガル」を用いた1,4-チオジエタノールの光酸化反応(気液二相系)では、収率は純粋に「溶存酸素濃度」に依存し、ファインバブルの有無自体は決定的な要因にはなりませんでした。ところが、固体触媒を用いたcis-2-ブテン-1,4-ジオールの水素化反応(気液固三相系)では、バルク液体の溶存水素濃度から理論的に予想される値を遥かに超える、カウンター・イントゥイティブ(逆説的)な高収率が記録されたのです。この現象について、論文では次のように洞察されています。
“水素化反応は、溶存水素濃度から期待されるよりも高い収率をもたらした。ガス・液体・固体相の反応において、金属触媒上のFBは隣接するFB間にガストンネルを形成し、局所的なガス濃度を高めている可能性がある。”
3. 「ガストンネル」現象:触媒表面に現れる目に見えない高速道路
なぜ、溶存ガスの限界を超えた反応が起きるのか。その物理的根拠は、微細な泡特有の「自己加圧効果(Self-pressurization effect)」にあります。
ヤング・ラプラスの式に基づけば、泡の直径が小さくなるほど表面張力による収縮力が増し、泡内部の圧力は上昇します。この高圧状態の泡が固体触媒の表面に付着すると、泡の周囲には極めて高濃度の「過飽和領域」が形成されます。そして、隣接する泡同士が連結することで、触媒表面に沿って**「ガストンネル」**と呼ばれる目に見えないガス供給路が構築されるのです。
この現象は、反応場である触媒表面の局所的なガス濃度を、バルク液体(液体全体)の溶解度制限を超えてブーストする役割を果たします。つまり、装置全体を高圧化する代わりに、ファインバブルという「局所的な高圧輸送体」を用いることで、常圧という穏和な条件下で高効率な反応を実現しているのです。
4. 触媒の「毒」を洗い流す:究極のクリーニング技術
ビジネスリーダーやエンジニアにとって最も注目すべきは、触媒毒(触媒の活性低下)の抑制と回復に関するデータでしょう。硫黄化合物(THT:テトラヒドロチオフェン)などの不純物は、触媒表面に吸着して反応を阻害する、化学プロセスの宿敵です。
研究チームがスチレンの水素化反応(Pd/Al2O3触媒)で行った実験では、驚くべき結果が得られました。強力な毒であるTHTが存在する条件下で、従来のバブリング法による収率がわずか13%(45分後)に留まったのに対し、ファインバブルを用いた条件下では、わずか30分で99%という圧倒的な収率を達成したのです。
さらに、この技術は触媒の「洗浄・再生」においても革新的な効果を示します。
- 毒に侵された触媒の再生: THTで失活した触媒を、4.0 MPaの圧力で生成したファインバブル含有メタノールで洗浄したところ、通常のメタノール洗浄と比較して4.2倍(0.68 mmol)ものTHTを除去することに成功しました。
これは、ガストンネル効果による高濃度ガス層が、触媒表面で毒物質との「吸着競争」に勝利し、物理的に不純物を追い出すクリーニング効果を発揮していることを裏付けています。
5. 戦略的な泡選び:マイクロバブル vs ウルトラファインバブル
プロセスエンジニアリングの観点からは、泡のサイズ制御が最適化の鍵となります。研究では、直径1〜100μmの「マイクロバブル(MB)」と、1μm未満の「ウルトラファインバブル(UFB)」の挙動の違いが整理されています。
ここで興味深いトレードオフが存在します。高圧条件下(H2生成時4.0 MPa)ではMBの生成量が増えますが、MBが多すぎると触媒表面を物理的に覆い隠してしまい、有効な反応面積を減らして効率を低下させるリスクがあるのです。
戦略的な最適化の方向性は明確です。ガストンネル効果を最大化するUFBの濃度を高めつつ、触媒表面を阻害しない程度にMBを制御する。 この緻密な「泡のマネジメント」こそが、物質移動効率を最大化する知的なカギとなります。
6. 結論:持続可能な「穏和な化学」の未来へ
「ファインバブル」技術は、これまでの化学プロセスが強いてきた過酷な反応条件を、常温・常圧の「グリーンケミストリー(持続可能な化学転換)」へと変貌させる力を持っています。
この技術の導入は、高耐圧容器への巨額の設備投資(CapEx)を抑制し、攪拌や昇圧に要するエネルギーコスト(OpEx)を劇的に削減する、極めて戦略的な選択肢となり得ます。目に見えない小さな泡が、巨大なプラントの姿を変え、環境負荷を最小限に抑えながら高付加価値な物質を生み出す——私たちは今、地球に優しい「新しい錬金術」を手にしようとしているのかもしれません。
この「泡の革命」は、化学産業の枠を超え、農業や医療といった他分野でも、私たちがまだ想像もしていないようなブレイクスルーをもたらす可能性を秘めています。あなたは、この小さな泡が描く未来にどのような可能性を見出すでしょうか。
本稿は、掲載論文に基づき生成AIを用いて要約・表現を作成しています。内容の正確性には配慮していますが、解釈や表現の過程で不正確な記載が含まれる可能性があります。正式な情報は原論文をご確認ください。
第5期 若手重点研究者に佐藤先生が選定されました
助教 佐藤 浩平 (SATO Kohei) ペプチド・タンパク質化学|静岡大学 (shizuoka.ac.jp)
競争力のある研究の推進と世界で活躍する人材を育成し
研究成果を広く発信する
静岡大学は、「研究フェロー制度」および「若手重点研究者制度」を導入し、競争力のある研究の推進や世界で活躍する人材の育成に取り組むとともに、研究成果を広く発信し、共同研究や産学連携・社会連携などをより一層強化していきたいと考えています。
「研究フェロー」は、 卓越した個人研究のみならず、学際・未踏研究の組織的推進の中核的な人材として若手教員の育成も含めた活躍が期待される教員です。
「若手重点研究者」は、本学の次代を担う研究者として高い目標と独創性を持ち、新しいイノベーションを起こす、創造性の高い人材としての活躍が期待される研究者です。
第5期(2022~2024年度)は、「研究フェロー」11名、「若手重点研究者」15名を選定しました。
※ 「研究フェロー制度」「若手重点研究者制度」は、2011年度に始まった「卓越研究者制度」「若手重点研究者制度」を第3期(2016〜2018年度)から名称変更したものです。
第5期 研究フェローに間瀬先生が選定されました
研究フェロー・若手重点研究者|静岡大学 (shizuoka.ac.jp)
教授 間瀬 暢之 (MASE Nobuyuki) グリーン有機化学|静岡大学 (shizuoka.ac.jp)
競争力のある研究の推進と世界で活躍する人材を育成し
研究成果を広く発信する
静岡大学は、「研究フェロー制度」および「若手重点研究者制度」を導入し、競争力のある研究の推進や世界で活躍する人材の育成に取り組むとともに、研究成果を広く発信し、共同研究や産学連携・社会連携などをより一層強化していきたいと考えています。
「研究フェロー」は、 卓越した個人研究のみならず、学際・未踏研究の組織的推進の中核的な人材として若手教員の育成も含めた活躍が期待される教員です。
「若手重点研究者」は、本学の次代を担う研究者として高い目標と独創性を持ち、新しいイノベーションを起こす、創造性の高い人材としての活躍が期待される研究者です。
第5期(2022~2024年度)は、「研究フェロー」11名、「若手重点研究者」15名を選定しました。
※ 「研究フェロー制度」「若手重点研究者制度」は、2011年度に始まった「卓越研究者制度」「若手重点研究者制度」を第3期(2016〜2018年度)から名称変更したものです。
日本プロセス化学会2023サマーシンポジウム
日本プロセス化学会2023サマーシンポジウム (cdsympo.com)
特別企画で間瀬教員が「挑戦→失敗→反省、いつか成功:研究も人生も一緒」という題目で発表予定です。
招待講演 ≪アカデミア≫
「イオン対を鍵とする合成化学」大井 貴史(名古屋大学)
「ラジカルが拓く新触媒・新反応・新機能」大宮 寛久(京都大学)
「中分子合成の事業化に向けた大学発スタートアップの挑戦」千葉 一裕(東京農工大学)
「酸化反応を基軸とした多環性アルカロイドの全合成」徳山 英利(東北大学)
「化学資源変革を目指した有機合成:鐵と森林で明るい未来を!」中村 正治(京都大学)
招待講演 ≪インダストリー≫
「統計的手法を活用したFutibatinibの製法開発」阿部 康則(大鵬薬品工業)
「プロセス強化(Process Intensification)を実現するフロー合成技術への期待 ~住友ファーマの取り組み紹介~」臼谷 弘次(住友ファーマ)
「不斉有機触媒を用いる神経障害性疼痛薬ミロガバリンの高効率的合成法の開発」 中村 嘉孝(第一三共)
「バイオ医薬品の生産性向上に向けた技術革新と中外製薬の挑戦」渡邊 洋介(中外製薬)
講演者調整中(Pharmira/シオノギファーマ)
特別企画:「失敗から得るもの」
「失敗から学ぶ “思い込みが根本原因を捉え損ねるリスク”」大東 篤(アステラス製薬)
「失敗から得る教訓を如何に原薬プロセス研究の高質化につなげるか:エーザイでの事例を交えて」栢野 明生(エーザイ)
「農薬原体プロセス研究 -結晶多形の制御-」齋藤 紘久(日産化学)
「挑戦→失敗→反省、いつか成功:研究も人生も一緒」間瀬 暢之(静岡大学)
早稲田大学 武岡先生、垣内先生との共同研究成果
小塚君おめでとう!!
Do Ultrafine Bubbles Work as Oxygen Carriers?
Kenta Kakiuchi, Tomoki Kozuka, Nobuyuki Mase, Takehiro Miyasaka, Norikazu Harii, and Shinji Takeoka

Abstract
Fine bubbles (FBs) are bubbles with sizes less than 100 μm and are divided into ultrafine bubbles (UFBs, < 1 μm) and microbubbles (MBs, 1–100 μm) depending on their size. Although FB aeration is known as a more efficient way than macrobubble aeration to increase the oxygen level in unoxygenated water, few reports have demonstrated whether dispersed UFBs work as oxygen carriers or not. Furthermore, oxygen supersaturation is one of the attractive characteristics of FB dispersion, but the reason is yet to be revealed. In this study, we evaluated the relationship between the FBs, especially UFB concentration, and oxygen content in several situations to reveal the two questions. The FB concentration and oxygen content were examined using particle analyzers and our developed oxygen measurement method, which can measure the oxygen content in FB dispersion, respectively. First, in the evaluations of the oxygen dispersion from UFBs with respect to the surrounding oxygen level, UFBs did become neither small nor diminish even in degassed water. Second, the changes in UFBs and oxygen content upon storage temperature and the existence of a lid during storage were evaluated, and there was no correlation between them. It means UFBs contribute little to the oxygen content in UFB dispersion. Furthermore, the oxygen content in the UFB dispersion decreased over time identically as that of the oxygen-supersaturated water with little UFBs. Third, we evaluated the relationship between FB concentration and oxygen content during FB generation by measuring them simultaneously. The results showed that dispersed MB and UFB concentrations did not account for the supersaturation of the FB dispersion. From the result, it was revealed that 100–200 nm of UFBs themselves did not work as oxygen carriers, and the oxygen supersaturation in FB dispersions was due to the supersaturated state of dissolved oxygen that was prepared during the FB generation process.
Do Ultrafine Bubbles Work as Oxygen Carriers? | Langmuir (acs.org)
