チャの光環境と代謝制御に関する研究

【被覆栽培がチャの樹体内の代謝成分に与える影響】
近年,世界各国での日本茶ブームにより,被覆 (遮光) することにより栽培される被覆茶の需要が高まっています.日本国内では,静岡では白葉茶,京都では玉露,三重ではかぶせ茶などが有名です.特に,世界的に見ても被覆茶の加工製品である「抹茶」の需要はかなり高くなっています.そのため,生産者らは需要に応じた被覆茶の生産量を確保するために,一部では過度の被覆栽培が行われており,被覆ストレスによる樹勢の低下が懸念されています.その一方で,被覆栽培の程度(回数や強度)と次茶期以降の生産能(収量)との関係性についてはあまりわかっていません.そこで私たちは,被覆茶園の樹勢診断法を確立するために,被覆ストレスにより変動する代謝産物に注目し,樹勢診断に応用できるバイオマーカーの開発を目指しています.