秋も終わりに近づき、日本史学研究室でも、4年生たちが卒業論文の執筆に専念する季節となってきました。彼ら・彼女らにとって、卒業論文を提出するまでは、大学附属図書館にも足しげく通わなければならない日々がしばらく続くことでしょう。
文字を介して過去を研究する歴史学(文献史学)では、当然のことながら、史料と先行研究の両方に向き合い、専門書とも格闘しなければなりません。したがって、学ぶべき環境として大学にどのような図書が揃っているかは、歴史学を専攻する学生にとって大切なことになります。
さて、静岡・浜松両キャンパスを併せた静岡大学の蔵書は約120万冊を誇り、そのなかでも十進法で「歴史」に分類された蔵書数は10万冊を超えます(2023年3月31日現在)。
まず、静岡キャンパスの附属図書館に入ると、手に取った開架の図書を閲覧したり、自習したりできる閲覧席があります。
さらに、書庫のなかに入ると、そこには専門書がずらりと並べられています。これらの膨大な蔵書は静岡大学が長年の研究・教育活動を通じて収集したもので、地方国立大学として他の大学にも見劣りしないコレクションともいえます。
静岡大学に限らず、これから大学で歴史学を学ぼうとする人にとって、自らの知的な関心に応えられる研究環境がしっかり整えられているかは、その大学を知る上で重要な情報になってくるでしょう。そして、知的な能力を培う訓練として、文章を読み、論理的な思考を導き出すことは、これからの世界のなかで大学生や社会人にも求め続けられていきます。