2026年6月20日(土) 篠原和大先生 S-wave『Saturday Nature ~Shangri-La(シャングリ・ラ)~』

S-wave『Saturday Nature ~Shangri-La(シャングリ・ラ)~』に2026年度は月に一回発酵研メンバーが出演することとなっています。7月18日(土)は人文社会科学部/登呂農耕文化研究所の篠原先生が登呂遺跡での「赤米」の栽培と、それを使用して地元酒蔵と連携して取り組む「酒づくり」についてお話しされました。

篠原先生は考古学がご専門で、日本で米作りが始まった弥生時代や農業の始まりについて登呂遺跡をフィールドに研究されています。中学時代から考古学が好きで、九州の古墳の一人で歩き回る子供だったそうで、40年にわたり研究をされています。

登呂遺跡は太平洋戦争中に見つかり、敗戦後の苦しい時代に研究が始められ、新聞などを通して2000年前の米作りをしていた人たちが知られるようになりました。教科書に載っていましたが、日本で色んな遺跡が見つかり総体的に知名度が下がっていました。

2000年代以降静岡市が改めて研究を始め、新たな調査による水田の跡など新たな発見により水田の規模、どのように作っていたのか、田植えをしていたのか、粗放なのか、技術がそれなりに整っていた様子など、細かいところがわかってきました。登呂は日本の米作りが始まった典型的な村だということが明らかとなっています。

現在の登呂遺跡は当時と同じように復元され、2009年に水田が再現され、ここ16,7年で道具や技術の再現も行われ、米作りをどんどん当時に近づけてきました。

今のお米とは違う。「古代米」といわれている米がどういうものかはわかっていません。籾も見つかり、炭になった米のDNAを根拠にどういう米かわかるが赤米だったかどうかわかりません。新嘗祭をずっとやっていたところに赤米や古いタイプのお米が多いようです。昔の登呂遺跡でもお米をつくり、40周年のときにお米を集めた。種子島宝満神社のお米などの栽培が始められました。

宝満は背の高いような稲穂になる米で、種子島の米は静岡の気候にもあっていてよく育ちます。この考古学研究の成果である米に目をつけたのが静大発酵研です。

登呂赤米酒完成披露会で紹介された試験醸造酒の色は、赤米の玄米の皮から出ており、通常の日本酒のように精米すると赤くなくなる。おいしいお酒をつくるためには精米しないとならず、赤米の赤い色を出すのに大村屋酒造場さんや萩錦さんは相当な苦労をされました。

宝満のみで作られたお酒はロマンチックなピンク色です。最初の年は宝満に焼津を混ぜたものでしたが、二年目からは宝満のみでつくられ、この米の赤はとてもいい色です。味は若い方や女性が好みそうなです。

古代史研究者として弥生時代のどぶろくを作っていた気はしますか?という質問について、お米は食べるために作られていたが、お酒にした可能性もある。農業には酒造りの可能性があり、赤米の玄米でお酒をつくった可能性があるのではないかとのことです。

登呂農耕文化研究所では真面目に復元研究をしていますが、お酒を造りたい発酵研の思いを汲んで、できるだけ古代の作り方を念頭においてストーリーを加えるのが役割と理解されているようです。

2026年はボランティアで代掻き、田植えと一回目の草取りが終わりました。8月8日に二回目の草取りがあります。当時も草取りはしていて鍬の一部は草取り用です。篠原先生から直接弥生時代の農耕についてお話を伺うことのできる貴重な機会ともなっています。ぜひご参加ください!

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2026年6月20日(土) S-wave『Saturday Nature ~Shangri-La(シャングリ・ラ)~』

S-wave『Saturday Nature ~Shangri-La(シャングリ・ラ)~』に2026年は月に一回発酵研メンバーが出演することとなっています。6月20日(土)は理学部の丑丸先生が取り組む、南アルプスの高山植物から採った酵母をつかったウイスキー造りについてお話しされました。

丑丸先生は細胞生物学がご専門で、細胞分裂から細胞の中身を知る人間の老化などを見ていく医学が出口となるような研究をされています。番組内でも静岡大学テレビジョン下記の動画が紹介されていました。

細胞生物学で研究として使いやすいのは、培養しやすく、増殖が1.5時間と速く、遺伝子操作がしやすい真核生物で、顕微鏡でしか会えないほどサイズが小さく、ライフサイクルが短く、ヒトの細胞と似ている微生物の酵母です。

酵母を使って研究をされていることをきっかけに静大発酵研でサッカロマイセス(糖を好む)・セルビシエ(ビール)を自然界から探して、単離するという途方もないプロジェクトに携わられることになりました。偶然に左右されることから可能性を倍にするべく、理学部の丑丸先生と農学部の木村先生の二つの研究室で取り組まれました。

まずはNHK大河ドラマ「どうする家康」の2023年1月8日から12月17日までの放送期間に静岡市内の家康公所縁の歴史的な場から野生酵母を見つけ単離し、ビールをつくって販売するというハードなものでした。

このプロジェクトと並行して進められたのが南アルプスの高山植物から酵母を採ってウイスキーをつくるというものです。2021年末の発酵研の立ち上げの5,6年前から、リニア問題や環境アセスメントで大変有名な増澤先生と国立公園内の貴重な高山植物がどのような場所にどういった植物があるかを調べ、保全について考えてこられました。その際に高山植物の酵母を採る試みをされた経験がありました。これらの植物は商業的には利用できません。南アルプスユネスコエコパーク登録10周年にあたり、南アルプス地区限定で酵母探しにトライし、ハクモクレンから発酵能力の高い酵母を見つけることができました。現在は十山株式会社の広大な社有林からウイスキーのための酵母を探しています。井川蒸留所は南アルプスの水、木による樽などを用いてウイスキー造りをされていますが、酵母までテロワールの要素とする取り組みはまだ珍しいです。樽のなかで熟成されていっている原酒がどのようなウイスキーになるのかが楽しみです。

2026年5月16日(土) S-wave『Saturday Nature ~Shangri-La(シャングリ・ラ)~』

S-wave『Saturday Nature ~Shangri-La(シャングリ・ラ)~』に2026年は月に一回発酵研メンバーが出演することとなっています。5月16日(土)は静大発ベンチャー企業 Swyeast(スウィースト)株式会社代表取締役の農学部の木村先生が取り組む、野生酵母を使ったシロップなど発酵製品の開発についてお話しされました。https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=11977 

木村先生は発酵シロップを持参され、実験室さながら一番おいしい分量でのソーダ割を造られるなど、料理番組風のやり取りが面白かったです。冬はお湯割りに、ノンアルビールや紅茶、アイスクリームやヨーグルトにもあいます。常温流通できる商品とのことです。

通常売られているただのシロップと異なり、発酵シロップは酵母が糖分を分解することでおいしい成分が出ていて、発酵させることで体にもやさしくなります。シロップに使われている夏みかん・だいだい・ゆずは木村先生たちが自分で取りに行ってきたものです。またエルダーフラワーといったハーブを用いてリラックスできるシロップも開発されました。

これらの製品は全て発酵がもととなっています。静大発酵研はアルコールを生み出す酵母を南アルプスや家康公の由緒ある場でイーストハントしてきましたが、その過程で、南アルプスで許可を頂いて山ウドの実などから採られたアルコールをつくるには「できの悪い子」を愛を持って活用し、パンを焼いたり、クラフトコーラを作ったりされてきました。

2026年4月18日(土) S-wave『Saturday Nature ~Shangri-La(シャングリ・ラ)~』

S-wave『Saturday Nature ~Shangri-La(シャングリ・ラ)~』に2026年は月に一回発酵研メンバーが出演することとなっています。4月18日(土)の大原所長とスペイン・バリャドリッド大学のダビ・カルバハル・デ・ラ・ベガ先生が出演しました。

ダビ・カルバハル先生は発酵研ができるきっかけとなった中世ビールのレシピを、カスティーリャ王国の2000以上の古文書から探して下さるなど静大発酵研の研究活動にご協力くださっています。このような長年の関係からバリャドリッド大学と静岡大学は大学間協定締結を進めていっています。

今回話題にしたのは発酵飲料のなかでもワインです。スペインのバリャドリッド大学が位置するワインの銘醸地「リベラ・デル・ドゥエロ」の歴史や経済、エノツーリズムを共同で研究する「ワインプロジェクト」を進めています。詳しくは『発酵と社会』3号をご覧ください。

日本のワイン文化には質、ラベル、DOへの認識など課題がまだ多くあります。静岡市のジビエの今後の展開、そしてジビエによく合うリベラ・デル・ドゥエロをより手頃な価格で輸入し、スペインワインのよさを知ってもらいたいです。