2026年6月20日(土) S-wave『Saturday Nature ~Shangri-La(シャングリ・ラ)~』

S-wave『Saturday Nature ~Shangri-La(シャングリ・ラ)~』に2026年は月に一回発酵研メンバーが出演することとなっています。6月20日(土)は理学部の丑丸先生が取り組む、南アルプスの高山植物から採った酵母をつかったウイスキー造りについてお話しされました。

丑丸先生は細胞生物学がご専門で、細胞分裂から細胞の中身を知る人間の老化などを見ていく医学が出口となるような研究をされています。番組内でも静岡大学テレビジョン下記の動画が紹介されていました。

細胞生物学で研究として使いやすいのは、培養しやすく、増殖が1.5時間と速く、遺伝子操作がしやすい真核生物で、顕微鏡でしか会えないほどサイズが小さく、ライフサイクルが短く、ヒトの細胞と似ている微生物の酵母です。

酵母を使って研究をされていることをきっかけに静大発酵研でサッカロマイセス(糖を好む)・セルビシエ(ビール)を自然界から探して、単離するという途方もないプロジェクトに携わられることになりました。偶然に左右されることから可能性を倍にするべく、理学部の丑丸先生と農学部の木村先生の二つの研究室で取り組まれました。

まずはNHK大河ドラマ「どうする家康」の2023年1月8日から12月17日までの放送期間に静岡市内の家康公所縁の歴史的な場から野生酵母を見つけ単離し、ビールをつくって販売するというハードなものでした。

このプロジェクトと並行して進められたのが南アルプスの高山植物から酵母を採ってウイスキーをつくるというものです。2021年末の発酵研の立ち上げの5,6年前から、リニア問題や環境アセスメントで大変有名な増澤先生と国立公園内の貴重な高山植物がどのような場所にどういった植物があるかを調べ、保全について考えてこられました。その際に高山植物の酵母を採る試みをされた経験がありました。これらの植物は商業的には利用できません。南アルプスユネスコエコパーク登録10周年にあたり、南アルプス地区限定で酵母探しにトライし、ハクモクレンから発酵能力の高い酵母を見つけることができました。現在は十山株式会社の広大な社有林からウイスキーのための酵母を探しています。井川蒸留所は南アルプスの水、木による樽などを用いてウイスキー造りをされていますが、酵母までテロワールの要素とする取り組みはまだ珍しいです。樽のなかで熟成されていっている原酒がどのようなウイスキーになるのかが楽しみです。