発酵研が井川茶壺屋敷のツツジの花から採取した 野生酵母を使用した 『家康公クラフトウィートエール』 本日より静大生協にて発売です

昨日発酵研有志で醸造して下さったアオイブリューイングの直営店growstockで開栓したものを飲ませて頂きました。まろやかな口当たりでやさしい香りのビールで、食事のおともによいと思います。ベルギービールと小麦のビールが好きなので個人的には家康公クラフトのなかでも最高のものが完成したのではないかと思います。

ぜひ静大生協でたくさんお買い求めください!

2025年11月15日,16日 赤米稲刈り

天候の影響で予定が1週間ずれましたが,2025年11月15日,16日に登呂遺跡の田圃に植えていました赤米の稲刈りをしました。昨年よりも実りがよくて収量が多かったそうです。これから脱穀し,籾摺りをし,萩錦酒造にお渡しし,お酒を醸造していただきます。

家康公CRAFT第3弾発売

家康公CRAFT第3弾が発売されることになりました。第1弾は2022年5月末、2022年10月末の2回、第2弾は2022年12月初め(以上は、静岡市内3つのブルワリーで1種類ずつ製造)、今年5月初め(AOI BREWINGにて製造)に販売しました。

今回は、これまでのゴールデンエールから、ヴァイツェンというビアスタイルに変わります。白く曇った、なめらかで小麦の香りの豊かなビールです。酵母は、第2弾と同じ、井川・大日峠の茶壺屋敷のツツジからとれた野生酵母を使用しています。

11月17日(月)から販売されています。1本700円、静岡大学生協などで購入可能です。ぜひお買い求めのうえ、ご賞味ください。

2025年10月29日 新聞報道

2025年10月29日朝日新聞に登呂遺跡の赤米で日本酒造り 畑違いの静岡大教員らが地元酒蔵と協力という記事が報道されました。

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和食展しずおか(2025/10/11-12/14)@清水マリンビル

東京・国立科学博物館で話題となった和食展が静岡市清水区で和食展しずおかとして開催されます。その一環として、発酵研では連続講演会「和食展しずおか」を下記の日程で開催します。

10月18日(土)第1回「静岡を日本のバスクに」美食都市サン・セバスティアンと和食
会場 清水マリンビル6階 大会議室6A

世界的な美食の都、スペイン・バスクのサン・セバスティアンは、海に面し、山地が多いなど、静岡と似ているところが多くあります。バスクは政治的な苦境のなかから、美食に活路を見出し、スペインの観光による経済活性化に貢献してきました。その経験から得られる教訓は何でしょうか。また、バスク料理には和食の要素が多々取り入れられています。異なる食文化を貪欲に受け入れる姿勢から学ぶところは少なくないでしょう。本講演会では、和食とヨーロッパの美食との影響関係を意識しつつ、日本また静岡におけるガストロノミーツーリズムのこれからを考えます。
参加申込

13:30-
開場・受付開始
14:00-14:05
挨拶・趣旨説明 司会: 横濱竜也(静岡大学人文社会科学部/発酵とサステナブルな地域社会研究所副所長) ファシリテーター:佐藤洋一郎(ふじのくに地球環境史ミュージアム館長)、大原志麻(静岡大学人文社会科学部/発酵とサステナブルな地域社会研究所所長)
14:05-14:30
深谷宏司(レストランバスク・オーナーシェフ)「日本におけるバスク料理とバル街」(仮)
14:30-15:00
岩澤敏幸(ふじのくにの旬を食べ尽くす会統括責任者・静岡県ガストロノミーツーリズムフォーラム統括コーディネーター)「静岡県の食とガストロノミーツーリズム」(仮)
15:00-15:30
登壇者によるパネルディスカッション

10月24日(金)法政学会講演会
会場 静岡大学静岡キャンパス人文社会科学部大講義室

和食が世界遺産に登録された後、日本において食分野での産官学連携はさらに活発になってきています。その現状はどのようであり、今後どのような展望を描けるか。クラフトビール開発に関わる数多くの産官学連携を進めてこられた、伊勢角屋麦酒を率いる鈴木成宗社長に、ご自身の経験と実績を踏まえてご講演をいただきます。

14:25-14:30
挨拶・講演者の紹介 司会:知念晃子(静岡大学人文社会科学部)
14:30-15:55
鈴木成宗(二軒茶屋餅本店代表取締役社長・静岡大学人文社会科学部客員教授)「ビールによる産官学連携 ― 微生物との歩みから、地域活性・グローバル展開への展望まで ―」

10月25日(土)第2回 ビールは和食
会場 清水マリンビル7階 展示室(7A)

徳川家康の大御所として駿府にいた1613年、イギリス船により日本にビールが初めて届きました。国産ビールが日本で初めてつくられたのが1877年、それ以降ビールは日本の食文化に次第に根づいていき、現代では「とりあえずビール」といわれるほど、和食に欠かせないものとなりました。本講演会では、和食におけるビールの歴史、ビール酵母の日本史のストーリー性による高付加価値化、そして聖地伊勢での味噌醤油醸造業とクラフトビールの展開や和食とのマリアージュをお話しいただきます。
参加申込

13:30-
開場・受付開始
14:00-14:05
挨拶・趣旨説明 司会:依岡輝幸(静岡大学理学部)
14:05-14:30
丑丸敬史(静岡大学理学部/発酵とサステナブルな地域社会研究所副所長)「静岡の歴史的由緒と家康公クラフト」
14:30-15:00
松本和明(静岡大学人文社会科学部)「武士とビール」
15:10-15:40
鈴木成宗(二軒茶屋餅本店代表取締役社長・静岡大学人文社会科学部客員教授)「(クラフト)ビールを和食に(したい)」
15:40-16:00
登壇者によるパネルディスカッション

11月8日(土)第3回 登呂遺跡の米作りと酒の表象
会場 清水マリンビル6階 大会議室6A

日本で初めて弥生時代の水田遺構が発見された登呂遺跡は、考古学における稲作文化研究の金字塔です。1972年にオープンした静岡市立登呂博物館では、稲作の移り変わりや米の研究、古代稲作栽培の実験などを行ってきました。本講演会では、その実績をふまえて、米作りの起源や神事、登呂遺跡での米作りの取りくみについて考えます。また能・狂言の前身・猿楽の発生において、酒は重要な要素の一つです。今日の能・狂言においてさまざまなかたちであらわれる酒を整理した上で、それらが担っている役割について論じます。
参加申込

13:30-
開場・受付開始
14:00-14:10
挨拶・趣旨説明 司会:藤井真生(静岡大学人文社会科学部/発酵とサステナブルな地域社会研究所副所長) ファシリテーター:佐藤洋一郎(ふじのくに地球環境史ミュージアム館長)
14:10-14:30
岡村渉(静岡市立登呂博物館長)「登呂遺跡における米作り」
14:30-15:00
篠原和大(静岡大学人文社会科学部・静岡市文化財保護審議会会長)「日本における米作りの起源」
15:10-15:40
原瑠璃彦(静岡大学人文社会科学部・芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)「能・狂言の起源と酒」
15:40-16:10
登壇者によるパネルディスカッション

11月15日(土)第4回 和食と朝鮮通信使
会場 清水マリンビル6階 大会議室6A

徳川政権は鎖国していましたが、家康公の善隣外交の意思を朝鮮王朝が受け入れ、徳川将軍の代替わりのたびに通信使とよばれる使節が訪れました。1607年以降、清見寺は東海道を往還した歴代朝鮮通信使の、宿泊や供応を行っており、通信使や随員たちの書蹟や絵画など、歴史資料が多数保存されています。本講演会では、朝鮮通信使の歴史的役割、家康公による朝鮮通信使の饗応の膳、また有名な家康の鯛のてんぷらの史資料からの追跡を取り上げます。
参加申込

13:30-
開場・受付開始
14:00-14:05
挨拶・趣旨説明 司会:戸部健(静岡大学人文社会科学部)
14:05-14:45
長森美信(天理大学国際学部長・朝鮮学会常任理事)「朝鮮通信使の歴史的役割」
14:45-15:10
望月鈴江(AYUドリームフードコーディネーター)「家康公による朝鮮通信使の宴の復刻」
15:20-15:50
松本和明(静岡大学人文社会科学部)「家康公の鯛の天ぷら」
15:50-16:10
登壇者によるパネルディスカッション

11月29日(土)第5回 静岡の茶と茶文化
会場 清水マリンビル6階 大会議室6A

和食には欠かせないお茶。静岡県はその代表的な産地、集散地として長らく君臨してきました。日本および静岡の茶はこれまでどのように形を変えながら親しまれてきたのでしょうか。静岡の人々にとってお茶は、茶畑の美しい光景であり、重要な産業のひとつであり、「みるい」芽が力を発揮し最も季節感を感じさせてくれる嗜好品です。丁寧に用意して誰かと共に賞味する格別な楽しみを与えてくれるお茶を再考してみましょう。
参加申込

本講演会は当日開催される和食展ツアーのコースのなかにも盛り込まれています。ご希望の方はツアーと合わせてご参加ください。

13:30-
開場・受付開始
14:00-14:20
司会:戸部健(静岡大学人文社会科学部)「静岡茶のこれまでとこれから」
14:20-14:50
鈴木実佳(静岡大学人文社会科学部) 「お茶ある限り希望あり」
14:50-15:20
樺島彩波(奈良国立大学機構特任助教)「”香る”静岡茶―萎凋からみる茶の魅力―」
15:30-15:50
登壇者によるパネルディスカッション
15:50-16:30
勝間田開拓茶農業協同組合による日本茶AWARDでプラチナ賞を取得した香り緑茶の呈茶

12月13日(土)第6回 和食を取り巻く環境
会場 清水マリンビル6階 大会議室6A

米を主食とし、だしのうま味をベースに、野菜や魚介が中心の一汁三菜を基本とした和食献立は、日本の自然や気候風土にあい、栄養面のバランスがよいだけでなく、肉類を多く食べる食事と比べて地球環境に与える負担が小さい。このようなことが和食文化国民会議でも指摘されています。一方で、和食のありようは多様で、変化しつづけてきてもいます。自然環境や社会変化に対応しながら、和食は今後どうなっていくのか。本講演会では、和食の将来を展望します。
参加申込

13:30-
開場・受付開始
14:00-14:10
挨拶・趣旨説明 司会:横濱竜也(静岡大学人文社会科学部/発酵とサステナブルな地域社会研究所副所長)
14:10-14:40
佐藤洋一郎(ふじのくに地球環境史ミュージアム館長)「和食文化と駿府料理」
14:40-15:10
芹沢安久(カネサ鰹節商店五代目)「西伊豆の神道とかつお文化」
15:10-15:40
南直人(和食文化学会長・立命館大学食マネジメント学部)「環境の変化と和食の未来」
15:40-16:00
登壇者によるパネルディスカッション

2025年6月28日 南アルプスユネスコエコパークミュージアム プレオープン

静岡市葵区井川に南アルプスユネスコエコパークミュージアムが2025年7月12日に開館されます。2025年6月28日に井川にお住まいの方々やメディアを中心にプレオープンが開催され,それに参加してきました。

まだ外観は工事中でしたが,展示は完成されていました。1階では南アルプスを構成する山々、植物、動物、井川の暮らしが展示されています。古くから使われていた実際の農具が展示されています。2階はワークスペースと食堂になっています。また2階では期間限定の展示が予定されているそうです。ぜひ訪れてみてください。

2025年7月12日に開館イベントが開催されます。

2025年6月14日(土)静岡大学岳陵会記念講演

2025年6月14日(土)に東京四ツ谷のプラザエフにて静岡大学人文社会科学部同窓会岳陵会の記念講演に大原所長が登壇しました。

会場には文理学部、人文学部、人文社会科学部のOB、OGの皆さん、浜松工業会、農学部、理学部の同窓会からの参加もありました。事前に『静岡大学における産学連携〜発酵研が醸したい静大の未来〜』というテーマを頂いており、発酵研にこれまでとこれからについてお話しました。

これまで行ってきた研究は発酵研の以下のプロジェクトへとつながっています。

  • スペイン中世政治文化史に関する研究 → 静岡をスペインのバスクに
    • 日本学術振興会特別研究員DC 「エンリケ4世の王位継承抗争におけるプロパガンダ ( 2003年1月 ~ 2005年3月 ) 特別研究員奨励費(奈良女子大学)
    • 日本学術振興会特別研究員PD「 中世カスティーリャにおけるコミュニケーションからみた広域共同体の関係構造 ( 2006年1月 ~ 2008年3月 ) 特別研究員奨励費(大阪市立大学)
  • アダプテーションに関する研究 → ヒストリカル・ルーツブランディングに
    • 基盤研究(C)「翻訳の〈倫理〉をめぐる総合的研究 」( 2012年4月 ~ 2014年3月 ) 分担(静岡大学)
    • 基盤研究(B) 「ポストメディア時代の翻訳論 」( 2014年4月 ~ 2018年3月 ) 分担(静岡大学)
    • 基盤研究(B) 「言語・メディア・文化を横断するアダプテーションの総合的研究 」( 2019年4月 ~ 2023年3月 )分担(静岡大学)
    • 基盤研究(C) 「動物表象の統合的分析―文学文化・哲学・歴史による学際的研究の基盤構築」( 2019年4月 ~ 2025年3月 )代表(静岡大学)
  • 人の移動に関する研究 → 静岡県内の観光学・聖地巡礼へ
    • 基盤研究(B) 「近世移動学の構築―ユーラシア世界と太平洋・ 大西洋世界における移動の統合的分析― 」( 2016年4月 ~ 2019年3月 )分担(宮城教育大学)
    • 基盤研究(C)「スペインとメキシコにおける聖ヤコブ信仰の継続と変容の統合的分析」2017年4月 – 2022年3月)分担(専修大学)
    • 基盤研究(B) 「ユーラシア東西における近世的地域秩序の形成:「大国」「小国」関係の変容に着目して 」( 2025年4月~ ) 分担(東京大学)
  • こういった研究の経緯により、発酵研として下記のような産官学連携が可能となってきました。
    • 静岡県ガストロノミーツーリズム有識者会議
    • 静岡ワイルドガストロノミー協議会・幹事
    • 静連協委第1号 南アルプスユネスコエコパーク登録10周年記念講演会及び交流会企画・運営等業務
    • 静岡市「南アルプスユネスコエコパーク高山植物由来酵母活用事業」
    • 静岡市大河ドラマ「どうする家康」活用推進協議会共同研究
  • 今後の活動として,
    • ヤチヤナギ・カラハナソウといった絶滅危惧植物や静岡を南限とする植物によるビール造りによる地域活性化
    • 家康公CRAFTの定番化、新たなビアスタイルの模索・伊勢角屋麦酒との家康公酵母共同研究、富士市での家康公CRAFT醸造
    • 南アルプスユネスコエコパークとの連携による高山酵母の多様性とウイスキー酵母としての利活用
    • 静岡市、県、県外への食文化の復刻、再構築、発信の拠点へ(今年度は和食展、公開講座を実施します)
    • 静岡大学東部サテライトとの連携による豆州八十八カ所の構築
    • 登呂遺跡古代稲作による古代米栽培と酒造り
    • 葵使が静岡まつりに運んで来て葵小学校で栽培が成功しているフタバアオイのストーリー性により高付加価値化した酵母による発酵食品開発
    • 他の企業や研究機関で単離された酵母の受託酵母解析研究(有償)を行える体制づくり
    などを行い、日本有数の発酵文化創造拠点を目指していければと思っています。

岳陵会のXでも当日の様子が紹介されています。

2025年6月7日(土)登呂遺跡古代稲作田植え

6月7日(土)の登呂遺跡古代稲作による米作りでもとりわけ大事な田植えの日に、県内外から36名の方々に参加して頂きました。

新田を開発したため何かと脆く畔が決壊していた発酵研の田んぼに泥を重ね、ひたすら踏んで田植えをできるようにし、大きな田んぼ3枚から小さな田んぼまで田植えが完了しました。

登呂遺跡では毎回違う花が咲いており、山梨大学で醸造を勉強されている学生さん、新セミの学生さんたちが花酵母がとれるよう沢山集めてくださいました。

歴史的な遺構の中で、色んな学部の学生さん、保護者の方、県外から毎回駆けつけて下さる方々といろんな話をしながらの作業はとても楽しいです。

次回は7月12日の草取りとなっています。参加者絶賛募集中です。