オンラインセミナー:森と山の科学 #9「林木育種が持つ可能性と静岡県における成果」

講演1|樹木形質の遺伝性と林木育種(花岡創)
形質とは、生物が持つ各種の性質であり、樹木の形質には、一つの種であっても個体間差がある。さらに、各種形質には遺伝性があることも知られる。今回のセミナーでは、林木の各種形質の遺伝性に関する研究事例を紹介するとともに、育種を通した形質の改良について紹介したい。
講演2|林木育種、育苗、造林に関わる静岡県の主要研究-エリートツリー、コンテナ苗、花粉症対策、抵抗性クロマツ-(袴田哲司)
産業振興と環境保全に貢献する健全な森林を育成するためには、林木育種、育苗、造林に関わる科学的な知見は不可欠である。これまでに、各種の研究を行なってきたため、以下の内容について紹介する。
1.日本の林木育種の根幹として、精英樹系統の次世代化を図りエリートツリー等の選抜を進めてきた。育種集団林を造成し、「育種価」を活用した評価により優良な候補木が得られている。
2.造林用苗木としてコンテナ苗が定着してきたが、短期間での育苗が可能となり、林地植栽後の成長特性が明らかになってきた。
3.関係閣僚会議で「花粉症対策の全体像」が示され、各種の対策が加速化すると予想される。無花粉スギの優良品種を開発し、積極的な広報活動を行なっている。
4.海岸防災林の造成においてクロマツは主役となる樹種である。マツ材線虫病に対する抵抗性を有するクロマツの効率的な種苗生産方法を考案した。

実施概要
講演者 1:静岡大学農学部准教授 花岡創
講演者 2:静岡県農林技術研究所森林・林業研究センター森林資源利用科長 袴田哲司
日時:2024 年 2 月 7 日 19 時~20 時半
使用するオンライン会議ツール:Zoom
視聴料:無料
可能視聴者数:40 名(先着)
申し込み先: Google forms
申し込みいただいた方に接続方法等をご連絡します。
※Google forms にアクセスできない方は以下のアドレスまで直接ご連絡ください。
kurihara.yohsuke [at] shizuoka.ac.jp ([at]→@)