8月27日(火)に静岡県立大学一般教育棟1階2109室にて、ふじのくに地域・大学コンソーシアムが主催するふじのくに学(魅力ある食と地域づくり)の授業を大原所長が担当しました。当日は大雨で鉄道が一部区間で不通になるなどしましたが、参加された皆さんは熱心に受講してくださいました。
静岡県が推進するガストロノミーツーリズムの世界の先進事例として、スペインの取り組みをいくつか紹介しました。第一に取りあげたのは、有数の観光地であるバルセロナです。アシャンプラ地区(ショッピング)、ゴシック地区(歴史文化)、カンプノウスタジアム(サッカー)、地中海リゾート、近郊のジローナ、フィゲラス、シッチェス、タラゴナ、カダケスなど、魅力的な観光地が何段にも連なっていて、観光客が長期で連泊したくなるだけの観光資源が備わっています。あわせて、バルセロナの地産地消のガストロノミーツーリズムの最新情報を提供しました。静岡も港町やサッカー文化などで、バルセロナと重なるところが少なくなく、参考になるところがかなりあるように思います。
また、ガストロノミーツーリズムで世界で随一の地域となったバスク地方についても、あらためて報告しました。観光スポットに恵まれていないなかで、食を通じて観光誘致を行うことに成功したバスクの事例から静岡が学ぶべきことは多くありそうです。あわせて、世界遺産サンティアゴ巡礼路の整備・誘客は、たとえば伊豆修験など、歴史的に宗教と結びついてきた道を再発見・再構築することが、観光人口さらに交流人口・関係人口を増やしていくうえで有望であることを物語っているでしょう。
人口減少に歯止めをかけるために何ができるか。地域で、企業と行政、大学が連携しながら、試行を繰り返していきたいと思っています。