2024年11月20日(水)に静岡県が推進し、静大・発酵研がメンバーとなっているガストロノミーツーリズム研究会、今年度第5回「お茶の明日を考える“画一から多様へ”」が開催されます。
静岡産業大学学長の堀川知廣氏が登壇され、横濱副所長がパネルディスカッションにて、消費量が減少傾向にあるなか、静岡のお茶を世界中で飲んでもらうためにはどうすればよいのか考えます。
参加申込の締切は11月11日となっています。おはやめにこちらからお申込みください。
Institute of Fermentation in Sustainable society and Glocal community from June 2024
2024年11月20日(水)に静岡県が推進し、静大・発酵研がメンバーとなっているガストロノミーツーリズム研究会、今年度第5回「お茶の明日を考える“画一から多様へ”」が開催されます。
静岡産業大学学長の堀川知廣氏が登壇され、横濱副所長がパネルディスカッションにて、消費量が減少傾向にあるなか、静岡のお茶を世界中で飲んでもらうためにはどうすればよいのか考えます。
参加申込の締切は11月11日となっています。おはやめにこちらからお申込みください。
2024年10月23日、24日にAichi Sky Expo(愛知国際展示場)で発酵食品ワールドが開催され、静大・発酵研からも出展しました。発酵研が取り組んでいるプロジェクトを紹介し、より広い連携関係の構築を目指す目的です。 展示では、井川の野生酵母と農学部藤枝フィールドの柑橘でつくった発酵シロップの試飲をはじめ、家康公CRAFT、フジヤマハンターズビールからは発酵研との共同で製造したNew Gruit Beer in Progressとヤチヤナギ、丸徳商事からは廃棄物を発酵させた肥料で栽培した大生姜、これを用いたビールとジェラートをご覧いただきました。ブースを訪れた多くの方々が私たちの説明に耳を傾けてくださいました。
2日間で8000人を超える来場者があり、開幕から閉幕まで発酵研にも多くの方が訪れてくださいました。発酵研の展示には訴求力があるとAmazonさんにお褒め頂きました。
丑丸先生、木村先生がご作成くださった資料をもとに横濱先生が二日にわたり発酵カレッジセミナーでお話されましたが、巧みなプレゼンに立ち見が出て立錐の余地なしの人気でした。
ヤチヤナギによるグルートビールのプロジェクトには他大学の理系の先生方が感じ入っておられ、これは文理融合でなければとてもできないことと、こちらとしては背中をみてお手本としてきた他大学の研究者の方たちに励まされ元気が出ました。また野生酵母にこだわってビールをつくっておられる伊勢角屋麦酒の鈴木社長もお見えになり、酵母開発についてご教示くださいました。 厳しいながらもためになるご意見も頂くことができ、連携の輪も広がりそうでとても有意義でした。
Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催されるFood style 発酵食品ワールドが10/23、24に開催されます。 静大・発酵研もフジヤマハンターズビールさん、丸徳商事さんと一緒に出展します(発酵研出展詳細)。
Expo では 10/23(水)14:20-14:50に発酵カレッジセミナー「発酵飲料・食品で静岡を盛り上げる」と題して横濱副所長が登壇されます。
ご参加頂ければ幸いです。
8月27日(火)に静岡県立大学一般教育棟1階2109室にて、ふじのくに地域・大学コンソーシアムが主催するふじのくに学(魅力ある食と地域づくり)の授業を大原所長が担当しました。当日は大雨で鉄道が一部区間で不通になるなどしましたが、参加された皆さんは熱心に受講してくださいました。
静岡県が推進するガストロノミーツーリズムの世界の先進事例として、スペインの取り組みをいくつか紹介しました。第一に取りあげたのは、有数の観光地であるバルセロナです。アシャンプラ地区(ショッピング)、ゴシック地区(歴史文化)、カンプノウスタジアム(サッカー)、地中海リゾート、近郊のジローナ、フィゲラス、シッチェス、タラゴナ、カダケスなど、魅力的な観光地が何段にも連なっていて、観光客が長期で連泊したくなるだけの観光資源が備わっています。あわせて、バルセロナの地産地消のガストロノミーツーリズムの最新情報を提供しました。静岡も港町やサッカー文化などで、バルセロナと重なるところが少なくなく、参考になるところがかなりあるように思います。
また、ガストロノミーツーリズムで世界で随一の地域となったバスク地方についても、あらためて報告しました。観光スポットに恵まれていないなかで、食を通じて観光誘致を行うことに成功したバスクの事例から静岡が学ぶべきことは多くありそうです。あわせて、世界遺産サンティアゴ巡礼路の整備・誘客は、たとえば伊豆修験など、歴史的に宗教と結びついてきた道を再発見・再構築することが、観光人口さらに交流人口・関係人口を増やしていくうえで有望であることを物語っているでしょう。
人口減少に歯止めをかけるために何ができるか。地域で、企業と行政、大学が連携しながら、試行を繰り返していきたいと思っています。
2024年10月13日に南アルプスユネスコエコパーク登録10周年記念連続シンポジウム「南アルプスの水と酒造り」が開催されました。司会は静岡大学人文社会科学部の藤井真生先生です。
第一報告は大村屋酒造場の杜氏の日比野哲さんによる「大井川の水と酒造り」です。日比野さんは静岡大学大学院農学研究科を終了されており、「静大そだち」を造ってくださっていることから、静大ととても関係の深い杜氏さんです。南アルプスから流下する大井川の水で酒造りをされており、報告はまず島田と大井川の江戸時代・明治以降における関係史からお話され、とりわけ酒は「洗いに始まり洗いに終わる」の言葉通り、多くの水を使い、アルコール分を除く80%が水で、南アルプスの水がダメになってしまうと酒造りは終わりになってしまいます。タンクローリーで他所から水を運んでくるよりも、その地の水をそのまま使うのが理想的です。
大井川の水で造られたお酒は16か国に輸出されており、大井川の水は世界を移動しています。個性輝く地酒作りと南アルプスの水の旅が今後もずっと続いていくことを願ってやみません。
第二報告は静岡大学人文社会科学部の貴田潔先生による「室町時代における酒造業と社会」について、いわゆる文安の麹騒動を中心にお話頂きました。室町時代の京都における酒造は桂川、賀茂川、木津川といった3つの河川の水で行われ、この時代は342もの醸造酒屋が記録されています。酒造業に対する課税は貞治年間に成立し、足利義満執政期に課税が恒常化します。明徳4年(1393)洛中辺土散在土倉幷酒屋役条々において「全て課税の対象とするので一律に徴収せよ」と規定され、税の徴収が厳しいものとなっていきます。
義満・義持期の室町幕府の京都支配にありかたから、酒麹を生産するなかでも北野社優遇政策がとられ独占され、延暦寺の支配に属する東京(左京)の麹造りが禁止されたことから、北野社と延暦寺の間で酒麹業をめぐる相論となるのが文安の麹騒動です。西京神人は北野社に閉籠りストライキをおこし、幕府から軍勢が派遣され合戦に発展します。結果、北野社の勢力は衰微し、酒麹業の独占的特権は解体へ向かいます。お酒と政治勢力の関係についての興味深い発表でした。
第三報告は引き続き麹についてで、静岡県工業技術研究所沼津工業技術支援センターの鈴木雅博さんに、清酒造りには富士山や南アルプスからの伏流水や流水に加えて、麹菌と酵母が必要であり、それら微生物の働きと複雑な関係についての説明がありました。静岡酵母、河津桜酵母といった静岡県のオリジナルの清酒酵母についてご紹介頂き、麹についても静岡の新しい麹米の開発について教えて頂きました。
報告が終わったあとは、静大・発酵研副所長の横濱竜也先生をファシリテーターとして、3人の先生方とパネルディスカッションを行いました。多くの質問が寄せられ、大幅に時間超過しましたが、内容が大変おもしろくあっという間に時間が過ぎてしまいました。
最後に、鈴木さんのご報告にもあった新しい麹をつかったお酒、旧来の麹をつかったお酒の飲み比べがありました。また南アルプスの高山植物の低発酵の酵母と在来植物を用いた大変おいしい発酵シロップの試飲もありました。 懇親会には静岡大学浜松キャンパスから工学部の戸田先生がかけつけてくださり、天竜川河川敷のトノサマバッタのむしむしケーキそして浜名湖のハゼの佃煮を試食させて頂きました。どちらも大変おいしく、水辺の生物多様性を改めて感じることができました。
2024年9月12日に第3回ガストロノミーツーリズム研究会「地域との共生:静岡市における賑わいの再生」が開催されました。昨年度家康公クラフトでお世話になった静岡醸造が入っている国内最大級の伝統工芸体験施設「匠宿」が会場です。講師は同施設や静岡醸造直営 人宿酒店 HITOYADO TAPROOMのある人宿町マートなどを手掛けた創造舎の山梨代表によるご講演、そして発酵研副所長の横濱先生をファシリテーターに、静岡市初の手作りビール醸造所を開設した満藤さんを交えたパネルディスカッションがありました。
ひとを選んでからハコをつくる、そしてもとの建物の伝統や古い風合いを大事にしたリノベを次々に行い、人宿町は居心地のよい人の集まる場が連なる空間へとなっています。魅力的な街づくりはさらに盛り上がっていくようです。県内遠方からも大勢の参加者があり、静岡県のガスツーの普及と確立が進んでいるようです。
2024年9月27日に静岡大学東部サテライトが開催するビジネス・セミナーに発酵研から参加しました。
午前中に静岡県東部の企業の活動報告の一環で、大原所長が発酵研の活動を紹介しました。午後はビジネス・セミナーで横濱副所長が「発酵飲料による地域活性化の試み」について報告されました。
静大発酵研のこれまでの活動と成果をおおまかにまとめたうえで、プロジェクト研究所を立ち上げるだけで学内の資金配分がなされるわけではなく、活動資金は学内外の諸資金を自ら調達して賄わなくてはならないという状況における、来年度以降の悩ましい課題についてご説明されました。発表後の議論では同じ課題をかかえる企業から様々なアイデアや具体的な提案やアドバイスを頂くことができ、大変ありがたかったです。
東部サテライトの近くには中伊豆ワイナリーがあり、伊豆のワイン醸造について視察することができました。
2024年10月5日に横濱竜也副所長が静岡朝日テレビカルチャー「地酒ライター鈴木真弓の日本酒講座 しずおか 酒と人」において,「発酵飲料による地域活性化の試み」と題した発表をされました。
静大発酵研のこれまでの成果や、取り組んでいる野生酵母による発酵飲料開発、今後も継続して展開していきたい登呂遺跡との酒づくり、ヤチヤナギを使ったグルートビールであるNew Gruit Beer in Progressシリーズ、カラハナソウを使ったビール造り、発酵シロップ開発への展望や大きな課題についてのお話があり、凄くおもしろかったとの声がきかれました。
発酵研関連では、ナラノヤエザクラ酵母の春鹿の八重桜、北海道林業試験場の脇田先生から頂いたヤチヤナギを使った香りがすばらしいジンのオホロ(ニセコ蒸留所)、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラの聖ヤコブの墓への巡礼の案内書でもあったカリクストゥス写本第5書『巡礼案内記』に登場するリオハのワインが試飲されました。
2024年10月1日、2日に開催された第11回世界料理学会 in HAKODATEに出席してきました。
冒頭あいさつで静大・発酵研の大原所長が壇上にあがり、静岡における食文化の取り組みを簡単に紹介しました。大変長い時間の学会でしたが、メディアによく出られている笠原シェフやパティシエの辻口さんなど話術がすぐれた料理人の方々のプレゼンに引き込まれました。
岐阜におけるあゆのなれずし造りの試行錯誤、地域の生産者とのつながりなどコミュニティがあってこその料理であることなど発酵研がテーマとしてきた最前線の事例を伺うことができ貴重な機会となりました。
大阪大学大学院生命機能研究科の吉森保先生はオートファジーの基本的な仕組みや食材との関係をわかりやすく説明してくださり、料理と細胞レベルの研究のつながりについて勉強になりました。
余呉町の徳山鮓についてのお話は、日本発酵機構余呉研究所との連携にも触れられており、産学連携のありかたについても参考になりました。
美食の都サン・セバスティアンのレストランなどほぼなかったところから、Nueva Cocina運動により今日の躍進を遂げた経緯をビシ・イリサールさんの話から改めて学ぶことができました。
会場には大泉潤函館市長もおられ、弟さんが所属しているCREATIVE OFFICE CUEは食からのアプローチに力を入れており、伊藤社長は毎年のようにサン・セバスティアンに行かれているそうです。北海道と静岡で食の地域連携していきましょうという話をしました。11月のHokkaido Food Film Festivalにぜひお越しくださいとのことです。
2024年10月23日(水)と24日(木)に Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)にて開催されます「発酵食品ワールド」に出展します。参加するには事前登録が必要です。事前登録について FOOD STYLE Chubu 2024 をご覧ください。