静岡朝日テレビカルチャー「地酒ライター鈴木真弓の日本酒講座 しずおか 酒と人 2024年10月~2025年3月期」において,2024年10月5日に横濱竜也副所長が教室講座『静岡に根付く発酵文化』を実施します。講座の参加には申し込みが必要です。ぜひご参加ください。
カテゴリー: news
令和6年度静岡大学公開講座「多彩な視点から学ぶ伊豆半島の自然と社会」
令和6年度静岡大学公開講座「多彩な視点から学ぶ伊豆半島の自然と社会」において発酵研所属研究者の講演が開催されます。参加には申し込みが必要です。ぜひご参加ください。
2024年11月9日 テクノフェスタ 発酵研企画
2024年11月9日(土)静岡大学浜松キャンパスで開催されるテクノフェスタで発酵研企画が行われます。参加登録はありません。ぜひご参加ください。
日時: | 2024年11月9日(土)14時00分~16時30分 |
場所: | 静岡大学浜松キャンパス 情報学部2号館1階 情13教室 |
「浜松の伝統食」
「南アルプス高山植物由来酵母によるウイスキー」
「浜松から広がる静岡ガストロノミーツーリズム」
展示 樋口美由紀さん(静岡大学農学部)
当日の様子はこちらをご覧ください。
2024年9月12日 静岡ガストロノミーツーリズム研究会 第3回「地域との共生:静岡市における賑わいの再生」
2024年9月12日(木)14時から静岡ガストロノミーツーリズム研究会第3回「地域との共生:静岡市における賑わいの再生」が開催されます。パネルディスカッションに横濱副所長が参加されます。
参加には参加登録が必要です。ぜひご参加ください。
SBSラジオ・ゴゴボラケのコーナー「3時のドリル」2024年7月31日放送 テキスト
2024年7月31日放送SBSラジオ・ゴゴボラケのコーナー「3時のドリル」で発行研の活動が紹介されました。ぜひご覧ください。
オープンキャンパスで展示と酵母発酵シロップの提供
毎年8月の上旬に静大の各学部でオープンキャンパスが開催され、静岡県内外から多くの高校生や保護者がキャンパスを訪れます。今年の農学部のオープンキャンパスは8/1に農学総合棟で行われ、1000人以上の参加者が、各学科についての説明を聞いてから、公開された研究室を見て回っていました。今回、この日に休憩室の一角を使わせてもらい、発酵研および発酵についての展示と、酵母発酵シロップの試飲提供をしました。
農学部のオープンキャンパスですので、微生物や発酵、食品に興味がある高校生が来る可能性があります。そこで発酵研の活動内容に加えて、「発酵食品と微生物」についてのポスターを展示しました。
また、今回提供した酵母発酵シロップは、酵母で糖分を発酵させて香りやうま味をだし、これに、農学部藤枝フィールドで作られたスルガエレガントと橙(だいだい)の果汁でフレーバーをつけ、さらに糖分を足してシロップにしたものです。これまでに理学部の丑丸研と農学部の木村研は、共同で静岡各地の植物から酵母を多数単離し、その中から、静岡市内のクラフトビール醸造所に「家康公クラフト」用の酵母、南アルプスの井川蒸留所にはウイスキー用の酵母を提供してきました。今回の発酵シロップは、これらの酒類の製造には使われず不要になった酵母の中から、南アルプス地区の酵母の1株を活用したものです。研究補佐員の樋口さんが試作を重ね完成させた逸品です。
展示ブースには、多くの高校生や保護者が立ち寄ってくれました。展示の内容だけでなく、農学部、大学での生活、静岡についても聞かれました。またシロップの評判は上々でした。販売されたらぜひ買いたい!静岡土産にしたい、という声も聞かれました。
今回の展示・試飲には、木村研の学生たちと樋口さんが、事前打ち合わせから、前日の設営、当日の準備、高校生・保護者への対応、試飲の提供、そして後片付けまでの各所で参加しました。また、スルガエレガントと橙は、1月の下旬に研究室のメンバーと藤枝フィールドに行き、収穫させて頂いたものです。皆さま、ありがとうございました!
井川自然の家でBBQ
2年前に南アルプス地区の植物から野生酵母を単離する研究を始めてから、この地域に魅せられています。特に、豊かな自然がもたらす空気の清々しさは本当に気持ちよく、静大から車で2時間でこの空気を味わえるのはとてもありがたいと、訪れる度に思っていました。ただ植物採集は参加できる人数に限りがあり、学生をあまり連れていかれませんでした。そこで、7月の上旬に、研究室のメンバーと南アルプスユネスコエコパーク井川自然の家(静岡市)に行き、バーベキュー(BBQ)パーティをしてきました。
参加者は農学部・木村研究室のメンバーで総勢11人です。3台の車にBBQ用の食料や飲み物、調理道具、食器類を積みこんで行きました。
井川自然の家は静岡市のいわゆる林間学校向けの施設ですが、一般でも利用できます。大人数用の大きな部屋に加えて、一部屋に4-5人泊まれる小さな部屋もあります。今回は特別室という新しい部屋が空いていたので、そこに宿泊しました。
BBQは部屋の目の前にあるスペースでできます。BBQの道具も、事前予約でレンタルできます。調理器具もレンタルできますが、節約して持参しました。
昼過ぎの出発でしたが、ゆっくり寄り道しながら行きましたので、到着すると、さっそく、全員がテキパキとBBQの準備を始めました。火起こしもうまくでき、飯ごうで炊いたご飯もふっくらとできました。カレーのルーも時間はかかりましたが、美味しく完成。焼きマシュマロは大人気。あぶって茶色くなり柔らかくなったマシュマロをビスケットにはさみ、チョコレートのソースをたらして食べると、これはうまい!という唸り声が出てきます。野菜も焼き肉用の肉もおいしく、皆たらふく食べることができました。研究補佐員の樋口さんが持参した手作りのピクルスも、絶品でした。
食事が終わると、広場に移動し、花火をしました。辺りは真っ暗の中、花火が美しく煌めいていました。そして、学生たちは、いかに「映え」する花火の写真が撮れるかを競い合っていました。
梅雨のさなかで天気が心配されましたが、私たちが行っている間、曇ってはいましたが雨は降らず、また暑くも寒くもなく大変快適でした。翌日は雨でしたので本当にラッキーだったと思います。自然の中で、美味しくて清々しい空気を堪能できました。ミヤマクワガタもひょっこりでてきて、これには男子学生たちが大興奮していました。(彼らはすでに成人なのですが。)
朝は7時半に予約していた朝ごはんを、広い食堂でいただきました。その後、BBQの後始末、部屋の掃除をしてから、出発しました。
費用は、宿泊料+BBQの器具レンタル料+朝食で、一人3000円ほどでした(食材、飲料は別)。部屋はとてもきれいです。天候が良ければ、星空も存分に堪能できるでしょう。学生たちは、「また行きたい!」と言っていました。本当に、なんだか夢の中にいたような楽しい時間でした。今回は井川自然の家だけでしたが、次回は、もう少しゆっくりして、井川の「夢の吊り橋」を渡ったり、奥大井湖上駅まで足を延ばしたりと、いろいろなところに行きたいと思いました。
今年は、南アルプスがユネスコエコパークに登録されて10年になります。各地で10周年記念イベントが行われ、静大発酵研も関連するセミナーを開催しています。このような機会をきっかけに、多くの人が南アルプス地区を訪れて、南アルプスの素晴らしい自然を享受できればと思いました。また、南アルプスの魅力を伝える博物館が井川にできる予定ですので、これも待ち遠しいです。
2024年7月31日 SBSラジオ「ゴゴボラケ 3時のドリル」
静岡新聞の橋爪教育文化部長が7月20日(土)の南アルプスユネスコエコパーク登録10周年記念連続シンポジウム 第3回「南アルプス高山植物由来酵母とウイスキー&交流会」ご来場頂き、番組内の静岡トピックスで取り上げて下さいました。
南アルプスの高山植物から分離した酵母による静岡のウイスキーの話のなかで二つのキープレーヤー機関があります。
一つは南アルプスの井川蒸留所で、標高1200mの日本一高いところにある醸造所で、木賊湧水の水を使ってウイスキーを作っています。椹島ロッジのさらに奥にあり、車で4時間20分かかったそう。ジャパニーズウイスキーは3年熟成させなければならず、この秋からいよいよクリアしたウイスキーが世に出ます。
もう一つは静岡大学学部横断産官学連携文理融合組織である発酵とサステナブルな地域社会研究所(通称「発酵研」)で、静大各学部のジャンルを横断し串刺しにした研究組織で、中世ヨーロッパのビールを再現したいところから始まり、去年の家康公クラフトの発売に至っています。徳川家康ゆかりの場所から花酵母を採取してオリジナルビールを作るプロジェクトは市の観光振興と大河ドラマ『どうする家康』とタイミングが合い、静岡市内のアオイブリューイング、Horsehead labs、静岡醸造の3つの醸造所から三種類作られました。すぐに売り切れてしまいなかなか飲めないビールとして記憶されています。
この二社がコラボして発酵研で採取した南アルプス高山植物由来酵母でウイスキーをつくるプロジェクトが進んでいます。麦芽を糖化させて発酵させるビールと途中まで作り方が同じモルトウイスキーを南アルプスの酵母も使ってつくるというものです。
SBSラジオの読み上げニュースでも告知して頂いた「南アルプス高山植物由来酵母とウイスキー&交流会」では興味深い話がいくつもあり、なかでも沼津工業技術支援センターバイオ科の鈴木主任研究員がヤマザクラやモクレン、シャクナゲなどから分離した酵母にどれだけ力があるかを分析した話がおもしろかったそうです。サッカロマイセス・セレビシエのなかからアルコールを作り出す力が強い4種類と市販のエール酵母、ウイスキー酵母を分析し、野生酵母4種類中4種類がアルコール発酵能が高く、ウイスキー醸造のポテンシャルがあると結論付けられています。
ハクモクレンの酵母のウイスキーは口に含むと野生の草木のかおりが口に広がり、水を加えると荒々しさが甘くなりけれども芯の部分は崩れない骨格の強さを感じたそうです。このニューボーンは2027年にウイスキーになります。南アルプスの酵母で醸したウイスキーが南アルプスで眠っているのは夢があり、クラフトビール王国、吟醸王国、そこにもってウイスキーの面白い展開が期待できます。
最後に南アルプスユネスコエコパーク登録10周年記念連続シンポジウム 第4回 「南アルプスの水と酒造り」についても告知して頂きました。
10月13日(日)14時00分~16時20分にレイアップ御幸町ビル 5-D会議室にて開催されます。今度は日本酒の話で女泣かせで有名な大村屋酒造場の日比野さんは静岡大学大学院農学研究科出身の異色の経歴を持つ杜氏さんが「南アルプスの水と酒造り」についてお話くださいます。7月講演会で発表された鈴木さんが清酒造り、静岡県オリジナル種麹について、また人文社会科学部の貴田先生が「室町時代における酒造業と社会」と歴史について講じて頂くという理系的話と文系的話が混在するシンポジウムです。
このようなシンポジウムを通して知って飲む、そして蘊蓄があればあるほどそれぞれのお酒に対する愛着、作り手への尊敬、そしてストーリーや歴史、作られている場所のバックボーンを知れば知るほど県外の人に教えたくなる、酒は文化遺産であるとしていました。
ヴィクトリア朝時代のレシピ再現
人文社会科学部の鈴木先生と農学部の樋口さんが前期の大学院の最終授業でイギリスのヴィクトリア朝時代の『ビートン夫人の家政読本』(Mrs Beeton’s Book of Household Management,1861) から931番(鶏肉のサラダ)、506番(それに勧められているドレッシング)、671番(牛すね肉の煮込み)のレシピを使ってランチを準備されました。スコーンにはとても風味のよい酵母が使われました。