南アルプスの自然遺産とその活用(2023/10/07)風景

2023年10月7日に「南アルプスの自然遺産とその活用」というテーマでシンポジウムを開催しました。

増澤武弘(静岡大学 理学部 客員教授) 「南アルプスの植生」
南アルプスにどのような高峰があるのかの説明や、高山植物の特徴、そ南アルプス固有の植物や、分布のごく限られている植物など、貴重な植物も含まれていることを説明していただきました。 高山のロマンを感じることができました。

朝倉俊治(静岡ライチョウ研究会 会長)「世界の南限の生息地に棲む南アルプスのライチョウ」
ライチョウという高山帯以外ではお目にかかかれない鳥の生態や特徴を学ぶことができました。 ライチョウはうつくしいですね。

松本和明(静岡大学 人文社会科学部)「井川中山間地域の歴史ー江戸時代の駿遠国境についてー」
どのように境界線がつくられたのかを歴史的に振り返り検討がなされ、現代までその歴史が踏襲されていることが説明されました。

丑丸敬史(静岡大学 理学部)「井川、南アルプスのめぐみ、花酵母」
ビールをつくるにあたり、酵母の大事さを知ることができました。酵母それぞれに特徴がありおいしいビールを飲むためにはたくさんのハードルがあるようです。静岡農業高校の方々の南アルプス酵母を使用したパン作りの紹介もありました。

平井岳志(十山株式会社)「南アルプスでウィスキーをつくる」
南アルプスでウィスキーをつくることが過酷であることがひしひしと伝わりました。 またそれに付随するブランドというものを感じることができました。

今回の研究会の司会は木村洋子先生(農学部)でした。

「南アルプスの自然遺産とその活用」シンポジウム参加者募集中です

2023年10月7日にシンポジウム「南アルプスの自然遺産とその活用」が開催されます。現在参加者募集中です。ぜひご参加ください。シンポジウムの詳細はこちらをご覧下さい。

参加申込制です。 こちらからお申し込みください。申込みが定員に達しましたら参加の受付を終了させていただきます。

2023年8月22日 椹島ロッジから井川地区でのサンプル採取

2023年8月22日に静岡市と十山株式会社のご協力を得て、椹島ロッジから井川地区にかけての花酵母の採取をしました。

花の少ない時期ですが30種類ほどサンプルを採ることができました。十山さんと連携した花酵母のプロジェクトを実現していければと思います。 新鮮な井川の在来の野菜も入手できたので発酵を活かした食品開発についても手掛けていきます。

2023年8月21日 井川蒸留所訪問

2023年8月21日に、井川蒸留所に伺い、共同プロジェクトについての打ち合わせを行いました。 井川蒸留所は、椹島ロッジからさらに上った井川山林内にあります。平地と比べるとひんやりしていて、ウィスキーを熟成するにはこれくらいしっかり涼しくないとならないのだなと実感しました。

所長さんはもともとは製紙に携わっていましたが、マルス信州蒸溜所で一年修行して、井川蒸留所を手掛けることとなったということです。

所長さんのウィスキーへの深い造詣に裏付けられたとても詳しい説明とともに、資料用の、とてつもなく素晴らしいウィスキーを沢山飲ませて頂き、得難い経験をすることができました。

湧水量が多く雑菌ゼロの木賊湧水でウィスキーを造りながら、水源地保全し、ひとと山との共生、ブランド産品開発を行う一環での、発酵研とのプロジェクトについて打ち合わせをしました。湧水量が多く雑菌ゼロの木賊湧水でウィスキーを造る。それを通して、水源地を保全し、ひとと山との共生、ブランド産品開発を図る。井川蒸留所のこのような取り組みに共鳴し、発酵研としてその一端をともに担うことができればと願っています。

2023年8月21日 南アルプスの酵母採取

8月21日に千枚岳で花酵母のサンプル採取をしました。 十山株式会社のご協力で南アルプスの国立公園と同じ環境にある私有林で花を採らせて頂けることになりました。

夏なのでトリカブトのお花畑はありましたがさすがにそこから採取することはなく、千枚小屋付近では10種類程度に留まりました。 森林限界を越えて高山帯に入るとがらりと植生が変わるのが印象的でした。

静岡県立静岡農業高等学校 あんぱん試作

8月18日(金)17時から、農学部6階ラウンジにて静岡県立静岡農業高等学校の生徒さんたちが南アルプスに高山植物から採取した酵母で、新たに試みたあんぱんを持ってきて頂いたので試食させて頂きました。河岸特別栄誉教授も感想を述べてくださいました。

あんの味でパン自体の味はわかりづらいのですが、どれもおいしく、ラカンセア酵母の酸味がいい仕事をしています。ゆくゆくは井川の小豆で餡も作りたいとのことです。

南アルプスの酵母のパン

7月20日(木)17時から、農学部6階ラウンジにて静岡県立静岡農業高等学校の生徒さんたちがつくった南アルプスの酵母で造ったパンを試食しました。

酵母は昨年7月に農学部と理学部の学生さんたちが悪天候のなか苦労して採ってきた高山植物の花酵母です。

セレビシエ(コオニユリ、ノリウツギ)、ラカンセア(トモエソウ、ギョリンソウ)、パラドキサス(シナノナデシコ、ヤマアジサイ)の三種類の酵母はそれぞれとても特徴があり、特にラカンセアは温度と時間の管理が難しく、発酵させるのに工夫と努力を重ねられたそうです。

素朴な味わいのラカンセアとパラドキサス、もっちりしていておいしいセレビシエのパン、あとからくる風味も違っていてそれぞれとてもおいしかったです。

2023年10月7日 南アルプスの自然遺産とその活用

日時: 2023年10月7日(土)14時~17時
場所: 静岡駅前会議室(現時点での予定です。変更の可能性があります。)

参加申込制です。 こちらからお申し込みください。申込みが定員に達しましたら参加の受付を終了させていただきます。

以下のプログラムは現時点でのものです。変更の可能紙があります。

14:00-14:05
所長挨拶
14:05-14:45
南アルプスのライチョウ
朝倉俊治(静岡ライチョウ研究会会長)
14:45-15:05
南アルプスでのウイスキーづくり
平井岳志(十山株式会社)
15:20-15:40
井川中山間地域の歴史
松本和明(人文社会科学部)
15:40-16:20
南アルプスの自然と植生
増澤武弘(静岡大学名誉教授)
16:20-16:40
井川、南アルプス花酵母
丑丸敬史(理学部)
16:40-17:00
全体での質疑応答

当日の様子はこちらをご覧ください。