2024年4月28日に長野県青木村に長野県天然記念物の沓掛温泉の野生里芋を頂いてきました。
里芋は高温多湿を好むことから縄文時代後期の気候の寒冷化を生き延びることができなかったのですが、温泉で温かく土も凍らなかったことから縄文時代と同じ遺伝子を持つ里芋が青木村でいまも自生しています。
今回農学部の本橋先生が特別な許可を得て、域外栽培をさせて頂くことになりました。静大で沢山増えることを期待したいです。
2024年4月28日に長野県青木村に長野県天然記念物の沓掛温泉の野生里芋を頂いてきました。
里芋は高温多湿を好むことから縄文時代後期の気候の寒冷化を生き延びることができなかったのですが、温泉で温かく土も凍らなかったことから縄文時代と同じ遺伝子を持つ里芋が青木村でいまも自生しています。
今回農学部の本橋先生が特別な許可を得て、域外栽培をさせて頂くことになりました。静大で沢山増えることを期待したいです。
ビールに関する情報発信ポータルサイト My CRAFT BEER で家康公クラフトについてのインタビュー記事が公開されました。ぜひご覧ください。
My CRAFT BEER 2024.04.26 【静岡市特集】NHK大河ドラマ「どうする家康」放映を機に生まれたビール「家康公CRAFT」の軌跡をたどる
エフエムしみず『モーニング・パル』内のコーナー「スクールインフォメーション “GUTS!!”」(7時15分~7月30分頃)、4月第2週から第4週まで、月曜日から水曜日は、静大・発酵とサステナブルな地域社会研究所のメンバーが出演しています。
4月24日の最終回は農学部の木村先生と実験補助員で管理栄養士の樋口さんにご登場頂きました。木村先生のご専門は分子細胞生物学で、温暖化などによる細胞の中の変化をみるご研究をされています。酵母研究35年で、一昨年から丑丸先生と家康公ゆかりの酵母や南アルプスの酵母を採るためのフィールドワークをしています。
発酵研といえばアルコールを想起されますが、酵母の多くはアルコールをそんなに出さず、パンなどをつくることができます。サッカロミセス・セレビシエだけではなく、他にも多くの酵母が採れており、アルコールを沢山つくれない酵母で美味しいものを作りたい、また冷蔵の問題を回避したいそうです。
これまでおやきやおかし、そして井川の柑橘をフレーバーにしたシロップも試作してきました。発酵にはアルコールのイメージがりますが、シロップであれば紅茶に入れたり、ヨーグルトやパンケーキにかけたり、アイスのトッピングにしたり、ドレッシングに加えることができます。発酵はおいしいものでアルコールなしでもおいしいものをつくることができます。ヤチヤナギやカラハナソウなどの副原料などで発酵飲料に香りづけをすることを考えてきましたが、酵母によって味と香りが変わります。
井川でとった柚、静岡市の駿河エレガント、また清水生まれ清水育ちの樋口さんによる清水の特産品による清水愛がつまったシロップなど、静岡各地の特産品でバリエーションが広がりそうです。またそれを静岡県外の方にも味わって頂きたいです。
放送中柚シロップを4:1で炭酸でわったものを試飲しましたが、爽やかで、また発酵によるまろやかさを感じました。発酵シロップは砂糖のように直接的な甘さではなく、体にやさしく、癒される甘さです。大学教員はお商売できないので来年度ぐらいに企業を考えているそうです。
この発酵シロップは、6月8日の井川ビジターセンターでの「南アルプスユネスコエコパーク登録10周年記念セレモニー」 で配布されます。この機会にぜひご賞味ください。
エフエムしみずはサイマルラジオからも聞くことができます。ぜひお楽しみください。
エフエムしみず『モーニング・パル』内のコーナー「スクールインフォメーション “GUTS!!”」(7時15分~7月30分頃)、4月第2週から第4週まで、月曜日から水曜日は、静大・発酵とサステナブルな地域社会研究所のメンバーが出演しています。
4月23日は副学長である農学部の本橋先生にご登場頂きました。ご専門は植物分子遺伝学で、トマトの着色や光合成の活性化などわかりやすい説明がありました。人間は甘いものが好きなので、糖度をあげることによってトマトの青くささをなくし、フルーツトマトなどが食べられるようになったそうです。かつての金柑と清水産のこん太は別物です。
現在は文理融合による新しい研究分野を切り開くということで、稲作以前の縄文時代に人々が何を食べていたのかについてさといもに着目されています。縄文時代にひとびとはゆり根、どんぐり、栗、胡桃、あけびなどの植物、貝塚があったように魚介、冬は猪など食べていたようですが、お腹がいっぱいになり人口が増えるにはでんぷん質が重要で、芋が貢献していたのではないだろうかと推測されています。
縄文中期は今より2度暖かく、青森まで熱帯の食物があり、人々はでんぷん質の多いさといもを食べて人口を増やし、また縄文時代の終わりから弥生時代にかけて気候が寒冷化するなか、雪が溶けて土が凍らない温泉や水が湧いているようなところでさといもは生き延びたのではないだろうかとのことです。古いさといもがどこから来たのかについて、DNAを調べて、インドの北、ヒマラヤの下の里芋が遺伝的に近く、日本人はそこから歩いてもちこみ食べることになったのではと考えられています。自生地としては佐賀、島根、山梨、長野など何カ所か異なる場所にあり、インドのものと遺伝的に近いとのことです。
鹿児島でさといもによる焼酎がつくられていますが、縄文時代のさといも焼酎はつくれるのでしょうか? それには縄文さといもがどれくらい固いかえぐいかを調べる必要があります。県の天然記念物なので特別な許可を得て、研究用に使うという手続きを経て、静岡大学で栽培を始め、うまくいけばこの秋に市販のふつうのさといもと比較して、体に毒になるものはないかなど成分分析をします。そこから処理方法、にがみ成分を取り除き、発酵で悪いものをなくせるかなどを研究するなど、どのようにおいしいお酒がつくれるかがわかるにはステップを踏まなければなりません。安心して飲める縄文里芋焼酎をつくる野望を果たすには数年かかることでしょう。
古代の人々も神事でお酒を飲んでおり、木の実の果実による酒が土器のなかに見つかっています。縄文時代のお酒に近い製法によるお酒も飲んでみたいものです。昨年は家康公ブームに乗って発酵飲料づくりをしてきましたが、さらに遡った古代には古代米を使ってのお酒があり、学術的に何を古代米とするかは難しい問題ではあるが、今の人々とは異なり赤米や黒米といったいろんな色のお米を使い、今日の雑味のないお酒ではなく、雑味の混ざったお酒を飲んでいたのではないかとのことです。さといもはじめじめした川べりにいますが、山の方には山芋があるのでそちらにも関心があります。農学部の本橋研究室では発酵研のヤチヤナギやカラハナソウの植物を育ててもらっており、静大発の取り組みが今後もさらに広がっていきそうです。
昔の人の食生活を思い描くのは楽しく、また現代の甘いものを好む食生活を見直すきっかけになるかもしれません。身近にある植物から関心を持ち、発酵研の展開にも興味を持ってください。
エフエムしみずはサイマルラジオからも聞くことができます。ぜひお楽しみください。
静岡市環境局環境共生課×静岡大学発酵とサステナブルな地域社会研究所共催
日時: | 2024年7月20日(土)14時00分~17時00分 |
場所: | B-nest静岡産学交流センター プレゼンテーションルーム |
参加申込制です。 こちらからお申し込みください。申込みが定員に達しましたら参加の受付を終了させていただきます。多数のご参加お申し込みありがとうございました。
プログラム
司会
横濱竜也 (発酵とサステナブルな地域社会研究所副所長/静岡大学人文社会科学部)
講演
瀬戸泰栄(井川蒸留所所長) 「南アルプスでのウイスキーづくり」
鈴木雅博(沼津工業技術センターバイオ科主任研究員) 「南アルプスから分離した酵母のウイスキー製造への活用について」
南健悟(慶應義塾大学法学部教授) 「ウイスキーと法律」
ニューポット(ウイスキー原酒)試飲
エフエムしみず『モーニング・パル』内のコーナー「スクールインフォメーション “GUTS!!”」(7時15分~7月30分頃)、4月第2週から第4週まで、月曜日から水曜日は、静大・発酵とサステナブルな地域社会研究所のメンバーが出演しています。
エフエムしみずはサイマルラジオからも聞くことができます。ぜひお楽しみください。
昨年度末に刊行された8名の執筆者による『発酵と社会』が静岡大学附属図書館にリポジトリ登録されました。幅広い方々に読んで頂ければと思います。
クラフトビアツーリズム、ビールによるサステナブルなコミュニティ形成、エールの本場イギリスにおけるビールのイメージ、静岡の発酵食、ヨーロッパにおいてビールと対比されるワイン、ガストロノミーツーリズムの先進事例、静岡における聖地巡礼など、発酵研が大事にしているテーマによる論考が盛りだくさんです。
本誌創刊にあたり、各方面から支援を受けました。令和4年度10月から令和5年度まで、静岡市大河ドラマ『どうする家康』活用推進協議会と共同研究「家康公ゆかりのクラフトビールの製造に係る酵母の研究及び開発」を行いました。本誌創刊はその事業の一環です。また、本研究所の研究業績の一部は、サントリー文化財団2022年度研究助成「学問の未来を拓く」の一テーマとして採用された「「コモンズ」としてのクラフトビール ―― 中世グルートビール再現醸造を通じた「発酵社会学」構築の試み」の成果です。
今年度も『発酵と社会』2号発行に向けて研究活動をしていきます!
清水区の丸徳商事は茶畑の耕作放棄地活用の為、茶畑再生プロジェクトを実践しています。「かんとりースーパー静岡」を施肥し、その後PH調整する事で土壌の改質を行ったR FARM圃場では、今年株分けしたヤチヤナギが元気よく育っています。
エフエムしみず『モーニング・パル』内のコーナー「スクールインフォメーション “GUTS!!”」(7時15分~7月30分頃)、4月第2週から第4週まで、月曜日から水曜日は、静大・発酵とサステナブルな地域社会研究所のメンバーが出演しています。
4月17日は横濱副所長の登場です。まずは昨年の家康公クラフトの話から。静岡市大河ドラマ『どうする家康』活用推進協議会との共同研究で開発し、3回の販売が無事成功した(ラジオパーソナリティーの是永さんが「どこに買いに行ってもない」とおっしゃっていたほど)ことを振り返りました。
家康公クラフトは、静岡の家康に関わる歴史的由緒を、酵母研究と歴史研究を踏まえて活かしていこうとするものでもありました。しかし、大河ドラマの放送は一年で終わってしまいます。家康と静岡のつながりをもっとアピールし、それも含めて静岡という地域をブランドにしていくことが今後の課題なのではないかと横濱副所長は話していました。地域ブランドは、新潟のこしひかりや秋田のあきたこまちなどのように、地域産品を地域のイメージなどのブランドを使ってアピールするもの、そして地域イメージ自体をブランド化していくものがあります。どちらについても、地域を押し出していく意欲とアイデアが必要になるでしょう。
家康との結びつきということでは、静岡も頑張っているが、もう少し押し出しがほしいと横濱副所長は話していました。家康が人生の3分の1を過ごしたにもかかわらず、家康といえば、江戸、浜松、岡崎のほうが注目されがちなところがあるかもしれない。大河ドラマ館来館者数は、静岡では28万人で、最近のなかでは好成績ではあったが、浜松のほうは60万人を超えている。もっと静岡のよさを伝えることに熱心であってほしい。そういう期待を持っているということでした。パーソナリティの是永さんとのやりとりのなかでは、家康が静岡にいた時期は平和でいい時代だったことがもっと思い起こされていいのではないか、海の物にも山の物にも恵まれていて、人が穏やかで、真冬に布団が干せるほど温暖な静岡は、その分気質がおとなしてハングリーさが少ないのではないか、ということも話題になりました。
地域ブランドの話から進んで、横濱副所長は静大発酵研の今年度の活動にも言及がありました。静岡市では南アルプスユネスコエコパーク10周年の記念事業が行われます。静大発酵研では、南アルプスの自然資源への関心を高め、南アルプスのふもと井川地区をにぎやかにしていくために、野生酵母を使用したウイスキーづくりに携ります。是永さんからは、昨今ウイスキーブームで、きっと注目されるでしょうと期待を示していただきました。
最後に、今後の抱負として、発酵を通してまずは静岡市、今後は静岡県そして他県ともつながっていき、それを通して静岡を盛り上げていきたい、発酵飲料・食品、食文化を通して地域のよさを知ってほしい、皆さんとともに人の集まりを増やし、人口増にも貢献したいと話がありました。
横濱副所長には、4月16日の脇田先生ご出演の際にヤチヤナギの話題になったことをふまえて、発酵研メンバーで3月に苫小牧を訪れた際、自生地から持ち帰ったヤチヤナギをスタジオに持っていっていただきました。その香りをかいだ是永さんは、どこかかいだことのある、なつかしい感じがすると話されていました。
放送中、是永さんは、「発酵研メンバー」のような気持ちでいて、これからも発酵研の活動を追いかけたいとおっしゃっていただきました。また、いろいろなメンバーの話を聞いて頂ければと思います。
エフエムしみずはサイマルラジオからも聞くことができます。ぜひお楽しみください。
エフエムしみず『モーニング・パル』内のコーナー「スクールインフォメーション “GUTS!!”」(7時15分~7月30分頃)、4月第2週から第4週まで、月曜日から水曜日は、静大・発酵とサステナブルな地域社会研究所のメンバーが出演しています。
4月16日は、北海道立総合研究機構(道総研)森林研究本部林業試験場森林環境部長 兼 道東支場長で農学博士の脇田陽一先生に、北海道から電話出演して頂きました。
4月16日はクラーク博士が”Boys,be ambitious”と言って北海道を去った日とのことで、脇田先生ご出演の前に、TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」が流れていました。
道総研の林業試験場は、冬の積雪の多い美唄にあります。発酵研メンバーが林業試験場を訪れたときも、あたりは雪で覆われ、遠くの山まで真っ白な景色が広がっていました。 そんな林業試験場で、脇田先生は、木材で利用するものとは違う、きれいな花を咲かせたり、おいしい実をつけたり、よい香りがしたりする身近な樹木を研究されています。
脇田先生は、発酵研とのなれそめを話されていました。発酵研が設立される以前の2021年8月、大原所長が担当していたゼミで、中世グルートビール再現の試みが行われました。その際、ホップがビール製造に使われるまえに、主要な副原料であったヤチヤナギを提供してくださったのが、脇田先生でした。 ラジオで脇田先生から、ヤチヤナギが絶滅危惧植物にも指定されたことのある希少な植物であること、ヤチヤナギがヤチ=谷地という湿地を好むこと、ヤナギに似た植物ということでかわいそうな和名がついているけれどもヤマモモ科の植物で、本来Myrica galeというかわいい名前であること、葉も根も茎も全てさわやかなよい香りがすることなどが紹介されました。
ヤチヤナギの自生地は、北ヨーロッパ、スカンジナビア、樺太といった寒冷地が中心ですが、日本では愛知や三重にも、ヤチヤナギがわずかながら自生しているところがあります。そのことから脇田先生は、静岡でもヤチヤナギが栽培可能であると考え、美唄や苫小牧から静岡へのヤチヤナギ移植を行うことを決めたのでした。
脇田先生のお話は、カラハナソウにも及びました。ホップの和名はセイヨウカラハナソウですが、「セイヨウ」のつかないカラハナソウは日本でも生育していて、北海道にも自生しています。日本でビール醸造所がつくられるようになったのは明治初期ですが、北海道に札幌麦酒醸造所がつくられたひとつのきっかけは、カラハナソウをビールに利用するためであったのではないか、と脇田先生は推測しています。しかし、カラハナソウの利用は進まず、早いうちに輸入ホップにより製造されるようになったのでした。その原因は、交配によりカラハナソウの香りがなくなってしまうことにあったのかもしれない。しかし、交配できない環境下で雌株のみ栽培すれば、香りを失わずビールへの活用が可能になるのではないか。脇田先生のそのような見通しから、カラハナソウ栽培の南限である静岡に、昨年雌株のみを移植することになり、この春元気に芽を出しています。 カラハナソウの性質はまだわかっていないことが多いので、静岡への移植を機に、研究が進むことを期待したい、とも話されていました。
日本には未利用の植物がまだまだたくさんあります。脇田先生は、そういった植物のブランディングや利活用が、北海道と静岡、さらにオールジャパンに広がっていくことを願っているとおっしゃっていました。
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