エフエムしみず「モーニングパル」出演 2024/04/22と「南アルプスユネスコエコパークの自然に学ぶ」講演会報告

エフエムしみず『モーニング・パル』内のコーナー「スクールインフォメーション “GUTS!!”」(7時15分~7月30分頃)、4月第2週から第4週まで、月曜日から水曜日は、静大・発酵とサステナブルな地域社会研究所のメンバーが出演しています。

4月22日は我らが丑丸先生にご登場頂きました。丑丸先生からは一昨日の静岡市環境共生課と発酵研の共催南アルプス連続シンポジウムの第一回「南アルプスユネスコエコパークの自然に学ぶ」の報告がありました。72名もの参加者があり大盛会でした。

増澤先生のご報告では、南アルプスには北岳、静岡市には富士山に次ぐ標高3000m以上の赤石岳など市内に高山があり、南アルプスの高山帯には北極圏から「グレートジャーニー」して、温暖化にともない冷涼な場所で育つ植物が取り残されているとのことで、南アルプスの高山植物をとりまく環境について紹介されました。南アルプスは希少な極地植物の南限となっており、それがリニア中央新幹線工事により水が減ると高山植物にどのような影響が出るのか、またドロノキを残すことになった感動の過程についてお話を聞くことができました。

外立先生は、南アルプス連山を仰ぐ井川地区でユネスコエコパークに認定された地域の自然において、人々がどのような暮らしをしてきたのかについて井川民具を通して紹介してくださいました。歴史のなかで使われなくなった民具の再現や今日にも持続する民具があり、また背負子をワコと呼ぶなど民具の名前にも井川固有のものがあることなど豊かなフィールドワークによる事例を通して楽しく紹介されました。

丑丸先生は、南アルプスの有用酵母について、南アルプスでは動植物に関しては長年の研究の蓄積があるが、どのような微生物がいるかはまだよくわかっていないことから、一昨年に開始した研究活動から得られた知見についてわかりやすくご紹介くださいました。南アルプスユネスコエコパーク内の集落である井川地区からはハクモクレン、ツツジ、ヤマザクラなど様々な花から多くの有用酵母を採ることができ、市街地の野生酵母よりもよくアルコールを作っているそうです。植物の種は同じでも、標高1000mの井川の酵母のたくましさから、今後は一般の車両では入ることのできない沼平ゲートより奥の高山帯の酵母について研究する展望が示されました。また6月8日の南アルプスユネスコエコパーク10周年セレモニーには南アルプスの井川蒸留所による、南アルプスの酵母を用いた樽詰めされる前のウイスキー原酒の試飲があるとの紹介があり、酵母による華やかな香りにも期待しているそうです。

この放送やシンポジウムをきっかけに井川地区にぜひ足を運んでいただけると嬉しいです。またこれから夏山登山の季節ですが、南アルプスに登って自然を感じてみたいです。

次回シンポジウムは「南アルプスとガストロノミーツーリズム」がテーマで5月25日に開催されます。こちらからお申込みください。

エフエムしみずはサイマルラジオからも聞くことができます。ぜひお楽しみください。