2023年6月17日 駿府の家康公と薬草

家康は、人質として今川氏のもとにいた幼少・少年期、天正14(1586)年以降居城を浜松から駿府に移した時期、慶長12(1607)年から亡くなるまでの大御所政治期と、生涯に三度、その人生の3分の1を駿府を拠点にして過ごしました。また、健康法に関心が深く、長寿であった家康が、駿府に漢方薬草園をつくったことも知られています。

大御所時代、家康公が駿府でどのように過ごしていたか、駿府薬草園での薬草栽培がどのようなものであったかをふりかえり、静岡の歴史を活かしたビールづくりのあり方を考えます。

日時: 2023年6月17日(土)14時~17時 13時半開場
場所: 静岡駅前会議室 B館301号室

参加申込制です。 こちら からお申し込みください。お申込みが定員に達しましたら参加の受付を終了させていただきます。
【お申し込みを終了しました】

司会:藤井真生(静岡大学人文社会科学部)

14:00-14:45
「大御所家康と駿府」
本多隆成(静岡大学名誉教授)
15:00-15:45
「家康公と駿府御薬園ー東西の世界と植物学の長期の構造」
鈴木晃仁(東京大学文学部教授)
16:00-16:30
「駿府と関係する野生植物を使った発酵飲食料」
脇田陽一(北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場森林環境部長)
16:30-17:00
全体での質疑応答

当日の様子はこちらをご覧ください。

『どうする家康』と「家康公クラフト」―家康公の駿府生活を訪ねて(2023/04/22)風景

「『どうする家康』と「「家康公クラフト」ー家康公の駿府生活を訪ねて」は静岡新聞と前日のNHKニュースでの告知のお蔭もあり、当初の定員を上回る80名を超える参加者があり、大盛会でした。

人文社会科学部の松本和明先生の「武士とビール」では、家康公がビールを呑んだか呑まなかったかを含め、家康公の時代から幕末までの武士と日本に入ってきたビールとの関係について、扱われました。

同じく人文社会科学部の貴田潔先生の「中世の酒宴と今川氏」では、寿桂尼の甥山科言継による『言継卿記』を通して、戦国期の酒宴で、どのようなものが食されていたか、酒好きと思われる言継の飲みっぷり、そして駿河国における酒造のありようなどについて、ヴィヴィッドに描かれました。

ふじのくに地球環境史ミュージアムの佐藤洋一郎館長の「家康公時代の発酵食品と「駿府料理」の再現」では、家康の食事の再現に関わられた経験から説き起こし、粽と柏餅をめぐる東西文化の違い、味噌や納豆、きなこといった大豆製品の歴史的・地理的な広がりなど、食文化研究に精通されている佐藤先生から表題に関わるさまざまな事例や視角が示されました。

理学部の丑丸敬史先生からは、静岡市の家康公に関わる歴史拠点からの野生酵母採取と家康公ゆかりのクラフトビール造りのなかで、なかなか好適な酵母が採れずに苦心したこと、そのなかで酵母を見つける技術に工夫を加えていくなど試行錯誤を続けたこと、それらの労苦がようやく報われそうな状況であることなどが報告されました。

会場の熱量も高く、これまで以上に質の高い研究会になりました。

井川でのサンプル採取

2023年4月16日、17日に在来植物が多い井川でサンプルを採取してきました。突然伺って花を取らせて頂いた井川小中学校の校長先生は静大卒で「酵母、植物・昆虫学、法、歴史、栄養士で伺ったので、無敵ですね」と仰ってくださいました。これから小学生とも何かできれば嬉しいです。

井川蒸留所も訪れました。現在南アルプスエコパーク10周年に向けて計画を企画中です。写真の樽は井川蒸留所のウイスキー樽です。

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エフエムしみずに出演しました

エフエムしみずマリンパルの特別企画 新静岡市誕生20周年特別番組「拝啓 しずおかを愛した家康さま」 に出演しました。

松本和明先生(人文社会科学部)が札の辻、駿府城公園の葵舟から、貴田潔先生(人文社会科学部)が三保松原、三保のフレンチレストラン・ウラレナ、久能山東照宮から、それぞれ中継で歴史解説などを行い、横濱竜也先生(人文社会科学部)が、スタジオにて、静岡大河ドラマ活用推進協議会、静岡市内のビール醸造所、本研究所で取り組んでいる「家康公クラフト」について紹介しました。

また、鈴木晃仁先生(東京大学文学部)が、駿府にあった薬草園のことなどについてインタビューに応えられています。鈴木先生には6月に計画している本研究所の講演会にてご登壇いただく予定です。

エフエムしみずのウェブサイト 新静岡市誕生20周年特別番組「拝啓 しずおかを愛した家康さま」 にて、4月30日まで聴き逃し配信が行われています。まだお聴きになってなっていない方、もう一度聴きたい方、ぜひお聴きください。