ヤチヤナギ栽培・研究システム設置

11月23日、人文社会科学部避難広場にヤチヤナギ散水・計測システムが設置されました。システムは、水道水を利用しにくい場所で雨水を溜め、時間を決めて散水するものと、ヤチヤナギが植えられている気温や土の水分量などのデータをWi-Fi経由で常時計測するものとからなっています。工学部の下村先生が開発してくださいました。 設置作業には、工学部の下村先生、北海道総合研究機構林業試験場の脇田先生、農学部の研究補助員の樋口さん、人文社会科学部の鈴木先生、大村先生、大原所長、横濱副所長が参加し、丸一日がんばりました。 翌11月24日には、散水システムを清水区と富士宮市にも設置しています。 計測システムにより栽培環境を継続的に捕捉することを通じて、ヤチヤナギの安定栽培においてどういう条件が望ましいか、明らかになってくることが期待されます。

ヤチヤナギ散水・計測システムの設置とあわせて、脇田先生が、絶滅危惧植物のカラハナソウの根を自生地である北海道から移植されました。 カラハナソウは、明治初期、北海道・札幌にて日本ではじめてビールが造られた際使用されたもので、「和ホップ」などともいわれます。カラハナソウは早いうちに輸入ホップに切り替えられましたが、その原因は、カラハナソウが交配により香りをなくすため、ビール造りにおいて非効率であったことにあるのではないか、とも考えられています。 今回の移植は、香りのよい雌のカラハナソウのみを、交配の起こりにくい環境で栽培することを試みるためのものです。静岡県は、日本のなかで、カラハナソウが生育した記録のある南限の地であるといわれています。栽培に成功した際には、カラハナソウを使ったクラフトビールの製造・販売を行っていきたいと考えています。

北海道のカラハナソウは、人文社会科学部避難広場、農学部、清水区、富士宮市、御前崎市に植えられました。大事に成長を見守っていきたいと思います。