久能山東照宮での酵母採取第一弾

所長から家康公ビール(仮称)企画の報告です。

7月29日に久能山東照宮で酵母採取を行いました。久能山東照宮で採取した酵母は駿河区ビールに使う予定です。農学部木村洋子先生と木村先生の研究室学生とともに私も採取に参加するつもりで日本平に行きました。山に入る服装と装備を携えてきたつもりだったのですが、「その格好じゃ山に入れない」と権禰宜さんから指摘を受け、すぐにお役御免になりました。次回のリベンジに向けて、農学部班の服装を目に焼き付けました。

農学部班の活動を参内者の方たちが見学していました。「大学が研究してる」とお話していただいているのを耳にして、関心を持たれるのだなと思いました。農学部班が採取している間、権禰宜さんが何事も詳しくご説明してくださり、大変勉強になりました。次は副所長や歴史文化班も連れていきたいと思います。

午後から木村先生の研究室で、午前に採取したヤブコウジの花の酵母の単離作業を見学しました。

葉っぱを培養液に入れて

バーナーでピンセットを炙って

ふたをします

これで酵母が採取できるそうです。

植物によっては、全く酵母がなかったり、あっても出芽酵母(ビール原料に使う酵母)じゃなかったりするそうです。植物の採取とその酵母の単離、および酵母の解析を繰り返し行うことで、ビール醸造に適した酵母を発見していくようです。科学はすぐに結果の出るようなものではありません。何度も挑戦することが必要です。酵母班頑張ってください!

静岡市と地元醸造所と連携してビール開発を実施します

本研究所は静岡市と地元醸造所と連携して地ビール「家康公ビール(仮称)」の商品開発をすることになりました(2022年8月24日の静岡新聞の報道)。

「家康公ビール(仮称)」は2023年春頃に発売予定です。「家康公ビール(仮称)」における本研究所の活動は本ウェブサイトで報告していきます。お楽しみに。

ひまわりを贈呈しました

本研究所と掛川東病院のコラボでカケガワビールにこの夏ひまわりビールを造って頂く計画が進行中です。
発酵研では人文社会科学部避難広場を、掛川東病院の院長先生、男子学生の多い経済の新入生セミナー、大原ゼミの学部生と院生とで整備し、種を蒔きました。ひまわりは順調に咲きほこりました(7月13日、8月9日8月23日)。咲いたひまわりを干して、ビールの醸造タンクに入れ、ひまわりビールが出来上がります。

掛川東病院の宮地院長に人文棟のひまわりの花を贈呈しました。ひまわりの贈呈に、大村言語文化学科長と、大原研の西ヶ谷さんが立ち会ってくださいました。

所長も記念撮影をしました。

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ガストロノミー研究会が発足されました

歴史、生産、料理、地理などの様々な観点から講師をお招きし、講演や意見交換を通じて、静岡の魅力ある食と食文化の深堀りを図る ガストロノミーツーリズム研究会 が発足されました。研究会の代表者は発酵研メンバーの佐藤洋一郎先生です。発酵研の所長、副所長、サポーターメンバーが所属しています。

ガストロノミーツーリズムには発酵食品・飲料が不可欠です。南アルプス酵母の利活用について、ガストロノミーツーリズム研究会からご教授いただく予定です。

2022年9月20日に第一回の特別講演が開催されます。参加費は無料ですが、参加登録が必要です。ぜひご参加ください。

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第一回静岡大学プロジェクト研究所シンポジウムにて発酵研の講演があります

第一回静岡大学プロジェクト研究所シンポジウムが、下記のように開催されます。本学の3つのプロジェクト研究所からプロジェクトの特色や活動状況などについて報告が行われる予定です。発酵研からの報告は、横濱副所長が担当します。

日時∶9月13日(火)14時30分〜16時
開催形態∶オンライン(Zoom・事前登録制)

※参加いただくためには、事前登録が必要です。登録方法については、「第1回プロジェクト研究所シンポジウム開催のご案内」をご覧ください。

皆さまのご参加をお待ちしております。

第二回研究会を開催します

発酵とサステナブルな地域社会研究所R4年度第二回研究会を下記の通り開催します。

—◆-第二回研究会案内-◆—

日時 9月2日(金)13時~17時
場所 静岡大学静岡キャンパス人文L棟4階 経済会議室
対面+zoomによるオンライン開催

<発酵産業とコモンズ班>
13時00分―14時00分 大貝健二(北海学園大学経済学部)「量的縮小下における中小清酒製造業の展開―北海道・東北を中心に―」

<発酵に関わる歴史・文学・言語の研究と歴史文化拠点の形成班>
14時00分―15時00分 鈴木実佳(人文社会科学部言語文化学科)「18世紀のトウヒ(唐檜)ビール(spruce beer)」

15時00分―15時30分 大原志麻(人文社会科学部言語文化学科)「古代ギリシア・ローマのガルムー静岡での再現に向けてー」

***休憩***

<発酵×法令×SDGs×健康長寿のまちづくり班>
16時00分―17時00分 横濱竜也(人文社会科学部法学科)「発酵飲料の公共性」(仮)

【2022年8月30日】ふたつの講演題目を修正しました。
【2022年8月25日】ひとつの講演題目と講演順序を修正しました。

サントリー文化財団 2022年度 研究助成「学問の未来を拓(ひら)く」に採択されました

サントリー文化財団 2022年度 研究助成「学問の未来を拓(ひら)く」「コモンズ」としてのクラフトビール ―― 中世グルートビール再現醸造を通じた「発酵社会学」構築の試み(代表者 大原志麻)という研究テーマで採択されました。

本研究は、発酵という微生物の営みを利活用する人間社会のありようを、一方で生物学や農芸化学などの自然科学的見地、他方で歴史学・社会学・法学・経済学等の人文学・社会科学的見地をふまえて明らかにする「発酵社会学」と呼ぶべき学問領域を構築することを目的とし、とくにビールを主題にした共同研究を行うものです。

ビールは紀元前3000年頃から造られているとされていますが、その製造・消費については、発酵工程・品質管理や成分分析など、これまで酵母発酵学などが扱ってきた課題のみならず、どこで誰によりどのように造られ飲まれてきたか、その多様性が注目されるところですが、後者を描き出すためには人文学・社会科学の知見が不可欠です。たとえば、ヨーロッパでもチェコやベルギー、イギリスなど、歴史的にビール先進地域とされるところと、スペインのように第二次大戦後ビールの大量製造・販売がなされるようになったところとでは違いがあります。この違いがいかなる歴史的・社会的条件により生じたのか、人文学・社会科学的研究が待たれますが、いまだ十分とはいえません。さらに、わが国では、1994年の酒税法改正を契機に、各地で「地ビール」の小規模醸造が行われ、とくに2010年代以降高品質のクラフトビールが製造されています。このような動きを説明するためには、「地ビール」・クラフトビール醸造技術のイノベーションをみる一方で、ビール製造・販売・消費を条件づける社会構造を学問的に検討することが求められますが、このような研究も現状、散発的なものにとどまっています。

本研究は、上記の状況と課題に鑑み、「発酵社会学」構築のための社会実験として、中世グルートビール再現醸造と製品化を、「クラフトビール王国」ともいわれる静岡県を舞台に行うことを目指しています。

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