カラハナソウから芽が出ました

北海道林業試験場の脇田先生が北海道から静岡に持ってきてくださったカラハナソウ(「ヤチヤナギとカラハナソウの栽培方法、ヤチヤナギ散水・調査システムの操作方法」)から芽がでました。

2024年3月21日人文のカラハナソウ

2024年3月27日御前崎のカラハナソウ

2024年3月27日人文のカラハナソウ

2024年3月30日人文のカラハナソウとヤチヤナギ

人文のカラハナソウからつるが出てきたので支柱を立てました。農学部のカラハナソウからも芽が出たそうです。実をつけてくれるよう、見守りたいと思います。

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地域の歴史文化を活かした酒造りの風景

2024年3月16日(土)に「地域の歴史文化を活かした酒造りの風景」を開催しました。会場は満席で大盛況でした。

司会は藤井先生でした。第一講演は、佐々木酒造株式会社代表取締役社長の佐々木晃さんより、「洛中での酒造りと大学との麹をつかった食品開発」と題して、佐々木酒造の多岐にわたる取り組みについてお話しいただきました。佐々木さんのお話にすっかり心をつかまれ、あっという間の1時間でした。

佐々木酒造は、いまや洛中で唯一生き残った老舗の酒蔵で、「大政奉還の時に慶喜が飲んでいたのは佐々木酒造の酒や」といわれることも。社長のお兄さんは、今年の大河ドラマにも出演中の佐々木蔵之介さんです。これまでのたくさんの取り組みを紹介され、最後に、「何が失敗し、成功するかはわからない」「とりあえず何でもやってみる、エセ科学は絶対に取り入れない」とおっしゃっていたことが、強く印象に残りました。講演会後の懇親会では、紹介された、聚楽第や銀明水をご提供いただきました。感謝に堪えません。

第二講演は江川文庫の橋本敬之先生より、「戦国期江川酒の復刻」というテーマでお話しいただきました。戦国期江川酒についての貴重な資料を会場の皆様に配付され、江川酒製造の歴史的な経緯のみならず、橋本先生の携われている地域文化継承の取り組みなども紹介いただきました。日本酒再現から地域づくりに至るご講演で、大いに触発されました。ご提供いただいた江川酒、大変おいしかったです。

大トリの第三講演は、北海学園大学の大貝健二先生が、「中小酒造業における個性の発揮とオーセンティシィティ- 東北・北海道を中心に」と題し、第一講演・第二講演をふまえつつ、大貝先生がフィールドとされている東北6県で日本酒が洗練化されていった経緯や、近時製造量が増えている北海道の現状と今後について、印象深いエピソードを交えつつ概観・展望されました。大貝先生の日本酒研究の出発点となった高知の酒についてのお話も、とても興味深いものでした。

参加された方々からは、講演者の顔ぶれと講演内容の充実ぶりに感嘆したとの声を多くいただきました。 懇親会では、三重県立熊野古道センター長の宮本秀男さんが送ってくださった、30年もの、2年もののなれずしも供されました。なれていればなれているほど風味が豊かでおいしかったです。大村屋酒造場の日比野さんは、若竹をご恵贈くださりました。幹事の方が揃えてくださった静岡の日本酒もあわせて、日本酒のさまざまな風合い・豊饒さを心ゆくまで楽しむことができた夕宴でした。あらためて、心から御礼申し上げます。

世界料理学会in HAKODATE代表者深谷宏治シェフにインタビュー

世界の美食の都であるスペイン・バスク地方のサン・セバスティアンで現代スペイン料理界の第一人者のひとり、ルイス・イリサール氏についてバスク料理を中心にスペイン料理を修業し、帰国後、レストラン バスクを開店し、日本にバスク料理を最初に採り入れた深谷シェフに、函館の先進的な食文化の取り組みについて伺いました。

スペイン料理に欠かすことのできない絶品の生ハムを自らの手で30年前からつくり、小麦をひたすら手でこねる、昔のパンを実直に造り続けている長年の仕事ぶりに感銘を受けました。静岡での今後のガストロノミーツーリズムの展開、また世界料理学会in Shizuokaの実現に向けて学ぶことが多かったです。

自由市場の豊富な食材、ケレー酒から洋物店が始まったり、ブルワリーさんがあったりで函館は発酵の街の側面もありました。

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北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場に行ってきました

2024年3月6日、静大に一番最初に来たヤチヤナギの自生地である美唄湿原近くの北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場に伺いました。

ヤチヤナギの茎頂部からどのようにクローンができるのを実際にみることができて感無量です。 遺伝育種科学を専門とする副学長が挨拶をしてくださり、また今後の研究についてしっかり話を聞いていてくださったので安心です。

いつも静岡でしかお会いすることのなかった森林環境部長の脇田先生の職場は絶景でした。加藤森林本部長にもご挨拶し、また主幹の両瀬先生にも植物の利活用の詳細について細やかに教えて頂きました。

苫小牧のヤチヤナギの自生地を視察

2024年3月4日に遂にヤチヤナギの自生地を訪れました。 雪が比較的少ない苫小牧で、無事に雪に埋もれていない自生しているヤチヤナギの姿を見ることができました。 静岡大学静岡キャンパスとのあまりの環境の違いに驚きました。

湿地を好むので川の近くの低いところで育つ傾向があるようです。いくつもの点在する自生地を見せて頂いてなんとなくどこでヤチヤナギが育つのかがわかった気がします。ヤチヤナギの傍ではハスカップも自生していました。ただウトナイ湖の傍では全くはえないのが不思議です。

冬のヤチヤナギですがしっかり香りがしてシャンプーにするのもよいのではという話になりました。

夜はHOKKAIDO BREWERYさんの試作品であるホップを使わない100%ヤチヤナギのビールを試飲させて頂きました。とても爽やかでおいしいビールに仕上がっていました。静岡でもヤチヤナギが沢山育って、幅広い利活用ができれば嬉しいです。

2024年5月25日 南アルプスユネスコエコパーク登録10周年記念連続シンポジウム 第2回「南アルプスのガストロノミーツーリズム」

静岡市環境局環境共生課×静岡大学発酵とサステナブルな地域社会研究所共催

南アルプスユネスコエコパーク登録10周年記念連続シンポジウム 第2回「南アルプスのガストロノミーツーリズム」

日時: 2024年5月25日(土)14時00分~16時20分
場所: レイアップ御幸町ビル 6-D会議室

【2024/04/03】会場を正しました。

参加申込制です。 こちらからお申し込みください。申込みが定員に達しましたら参加の受付を終了させていただきます。

プログラム

司会 横濱竜也(発酵とサステナブルな地域社会研究所副所長/静岡大学人文社会科学部教授)
14:00-14:40
水窪、『塩の道』を歩く
佐藤洋一郎(ふじのくに地球環境史ミュージアム館長)
14:50-15:20
井川地区のガストロノミー
永松典子(株式会社静岡編集舎株式会社FIEJA 代表取締役)
15:30-16:00
山のバスクとサンティアゴ巡礼路「北の道」
大原志麻(発酵とサステナブルな地域社会研究所所長/静岡大学人文社会科学部教授)
16:00-16:20
全体討論

2024年4月20日 南アルプスユネスコエコパーク登録10周年記念連続シンポジウム 第1回「南アルプスユネスコエコパークの自然に学ぶ」

静岡市環境局環境共生課×静岡大学発酵とサステナブルな地域社会研究所共催

南アルプスユネスコエコパーク登録10周年記念連続シンポジウム 第1回「南アルプスユネスコエコパークの自然に学ぶ」

日時: 2024年4月20日(土)14時00分~16時40分(13時30分開場)
場所: あざれあ5階 501会議室(静岡駅から国道1号沿いに西へ徒歩9分)

参加申込制です。 こちらからお申し込みください。申込みが定員に達しましたら参加の受付を終了させていただきます。多数のご参加お申し込みありがとうございました。

プログラム

司会 丑丸敬史(静岡大学理学部教授)
14:00-14:50
南アルプスの高山植物に学ぶ
増澤武弘(静岡大学名誉教授)
15:00-15:40
井川民具から学ぶ暮らしの知恵
外立ますみ(常葉大学造形学部非常勤講師)
15:40-16:20
南アルプスの野生酵母に学ぶ
丑丸敬史(静岡大学理学部教授)
16:20-16:40
パネルディスカッション
パネラー 増澤武弘/外立ますみ/丑丸敬史

井川の柚子を収穫しました

現在、静岡市との共同研究で、南アルプスユネスコエコパーク10周年の記念事業にむけて、南アルプス地区の植物から酵母を単離し、また酵母を用いた発酵製品の開発を行っています。

その一つが南アルプス発酵シロップです。シロップのフレーバーに井川の柚子を入れることを企画したのですが、そのための柚子をどうしようと思っているうちに1月になってしまいました。思い余って小河内の望月さんに連絡すると、木になっている柚子を収穫に来ないかというお返事。そして早い方がいいということで、農学部の教職員2名で井川に行くことにしました。

1月の始めですが、まだこの冬は雪がなく道路規制も少なく、普通タイヤの軽自動車で行くことができました。望月さんご夫妻のお宅に到着すると待ってましたとばかりに、準備が始まり、柚子狩りに出発です。

柚子の木は、斜面の上にあり、からみつく草をかきわけて斜面を登ります。大きな木です。たくさんなっていますが、枝にバラのとげの数倍ほどの大きいとげがあり、これは刺さるとなかなか痛いというか、血が出ます。このとげを慎重に避けながら、枝から柚子を切り取ります。地域の若手の方2名が応援にきてくれ、望月さんと一緒に、梯子と電ノコを、斜面をあがって持ってきてくれ、大きな枝を切り落としてくださいました。そして、皆さんの協力のもと、小一時間ほどで、段ボール箱2個分の柚子を収穫できました。

そのあと、望月家で楽しいランチタイムを過ごさせていただき、大学に戻りました。ご馳走になったおでんのジャガイモと、手作りキムチは、忘れられない味の一つになりました。ありがとうございました!

商品の開発は我々にとって未開の部分であり、どうなるかわからない部分もありますが、井川の方のご厚意でたくさんの柚子を使わせていただくことになり、商品の開発に背中を押された気持ちになりました。

2024年2月17日「ワインをめぐる飲酒文化と心理学」風景

2月17日(土)に「ワインをめぐる飲酒文化と心理学」講演会を開催しました。 会場は静岡大学静岡キャンパス人文E棟と街中から遠かったにもかかわらず盛会で遠方からの参加者もいらっしゃいました。

第一講演は日本女子大の加藤玄先生の「サン⁼テミリオンのワインの歴史と「テロワール」概念」で、銘醸地サン=テミリオンがどのように誕生し、ワインを醸造し、世界遺産となったのか、またジュラードの役割についてお話し頂きました。

第二講演は静大・発酵研の藤井真生先生の「中世の東中欧におけるワインの宗教的・文化的位置づけ」で、ぶどうがない地域でのワインの扱い、特にキリスト教化や王権とワインの関係について史資料をもとに講じて下さいました。

第三講演は発酵研で初めての社会心理学からの講演で橋本先生に「心がつなぐお酒と社会」というテーマで飲酒した時の行動から人と人との親しさがなぜ促されるのか、心からどのような飲酒文化が形成されうるのかといった展望も示して頂きつつ、お酒のポジティブな側面についてお話しくださいました。

会場はかなりの熱気で、質疑応答の時間が全く足りませんでした。今後の展開が楽しみです。

2024年3月16日 地域の歴史文化を活かした酒造り

発酵研では酵母と由緒をつなげた発酵飲料の開発を手掛けています。とりわけ日本酒は重要な素材です。このシンポジウムでは洛中に唯一存続している蔵元である佐々木酒造の佐々木晃さんに京都での酒造りや産学連携の推進について基調講演をして頂きます。江川文庫学芸員の橋本敬之さんには戦国期の江川酒がなぜ造られるようになり、そして造られなくなったのかについて発見されたばかりの史料を手がかりにおしえて頂きます。北海学園大学の大貝先生には、東北6県の酒造りのトレンドと北海道がなぜ唯一酒造が増えていっているのかについてお話しを伺います。

地域の歴史文化を活かした酒造り

日時: 2024年3月16日(土)13時00分~16時00分(12時30分開場)
場所: レイアップ御幸町ビル7階 7-D会議室(JR「静岡駅」徒歩3分)

参加申込制です。 こちらからお申し込みください。申込みが定員に達しましたら参加の受付を終了させていただきます。

以下のプログラムは現時点でのものです。変更の可能紙があります。

司会 藤井真生(静岡大学人文社会科学部教授)
13:00-13:40
洛中での酒造りと大学との麹をつかった食品開発
佐々木晃(佐々木酒造株式会社代表取締役社長)
13:50-14:30
橋本敬之(公益財団法人江川文庫学芸員)
14:40-15:20
北海道、東北(山形・宮城)の酒造産業
大貝健二(北海学園大学経済学部教授)
15:30-16:00
パネルディスカッション
進行役:佐藤洋一郎(ふじのくに地球環境史ミュージアム館長)
参加者:佐々木晃/橋本敬之/大貝健二